​ビジネスの現場において、人材の育成は企業の未来を左右する極めて重要なテーマです。
​EYESROOM(アイズルーム)では、主に管理者研修を通じて組織の基盤強化をサポートしていますが、時には新卒社員をはじめとする若手社員の研修をお任せいただくこともあります。これから無限の可能性を広げていく若者たちと向き合う際、私が必ず情熱を持って伝えるメッセージがあります。
​それは、「自分の可能性を、自分の手で絶対に縮めてはならない」ということです。
​大きな目標を掲げ、それに対して緻密な計画を立てて行動すれば、夢は必ず良い方向へと実現していきます。しかし、若く優秀な人材であっても、この罠に陥ってしまうケースが少なくありません。
​以前、私が上場企業の関連会社で役員を務めていた頃、東大卒の非常に優秀な幹部候補の社員がいました。彼は頭脳明晰でしたが、何か新しい業務や指示を命じられた際、自分の狭い経験や尺度だけで頭の中で計算し、「これは無理です」「自分にはできません」と、やる前から諦めてしまう傾向があったのです。
​仕事を指示する側の視点に立てば、答えは明白です。
「この人には無理だ」と思う相手には、最初から大切な仕事を発注したり、指示を出したりすることはありません。相手ができると信じているからこそ、信頼して仕事を託すのです。
​特に指導者が部下に仕事を与える際、現在の本人の実力よりも「少しだけ高いレベルの仕事」を意識的に任せます。それこそが、その人を将来的に大きく成長させる最大の鍵になるからです。
​自分の限られた経験だけで「面倒そうな仕事だ」「自分には向いていない」「経験がないからできない」と、やれない理由を並べるのは簡単なことです。しかし、人生もビジネスも、一見「できない」と思えることを可能にしていくからこそ面白いのではないでしょうか。
​自分自身を成長させるためには、常に「一つ上のステップ」を目指し、背伸びをしてでもその課題に食らいついていく姿勢が必要です。
​私自身、重要な取引先や他の役員から難度の高い仕事を命じられた時は、いつもこう考えてきました。
「相手は私ができると思っているからこそ、この依頼をくれたのだ」
​そう捉え、未経験の分野であっても精一杯に勉強し、新しい経験と知識を必死に身につけました。その結果、次のステップへ進むための確固たるスキルアップへと繋げてきたのです。
​仕事を断ることは一瞬でできますが、それは仕事を差し出してくれた相手の信頼を大きく損ねる行為でもあります。繰り返しますが、できない人間に貴重な仕事は回ってきません。
​与えられた仕事に一生懸命向き合い、泥臭く努力するからこそ、人間は飛躍的に伸びるのです。自分の好きな仕事、楽にこなせる仕事ばかりを好んでやっていても、技術やスキルがそれ以上に向上することはありません。未知の領域に挑戦し、貪欲に学ぶからこそ、輝かしい明日の未来がひらけるのです。
​世界的な偉人や、希代の経営者たちも全く同じ哲学を持っています。
​例えば、アップルの創業者であるスティーブ・ジョブズは、次のような言葉を残しています。
「点と点の繋がりは、予測できるものではない。あとで振り返って初めて、繋がっていたことに気づく。だからこそ、今やっていることが未来に繋がると信じなければならない」
目の前の仕事が不慣れなものであっても、信じて挑戦した経験が、将来の自分を作る大きな資産になるということです。
​また、京セラの創業者である稲盛和夫氏も、その著書の中で次のように説いています。
「能力を未来進行形で捉えなさい。現在の能力でできるかできないかを判断してはならない。人間の能力は、努力を重ねることで無限に広がっていくものである」
​仕事は、実際にやってみなければ分からないことが無数にあります。
断ることは誰にでもできる容易な選択ですが、難しい課題に直面した時、それを努力によって乗り越えるからこそ、人間としての価値が最高峰にまで高まるのです。
​若い世代の皆さんが、自分の限界を自分で決めつけることなく、一つ上のステージへ果敢に挑戦していくことを心から期待しています。
《EYESROOM代表Profile・セミナー講演依頼》 https://www.speakers.jp/speaker/ishihara-koichi