【全盲の私が街頭で叫ぶ理由~幼少期から病弱だった息子を襲ったO157と溶血性尿毒症症候群(HUS)、命を救ってくれた大量輸血と日本赤十字社への恩返し、そして次世代へつなぐ献血ボランティアの誓い~ 】

      

【全盲の私が街頭で叫ぶ理由~幼少期から病弱だった息子を襲ったO157と溶血性尿毒症症候群(HUS)、命を救ってくれた大量輸血と日本赤十字社への恩返し、そして次世代へつなぐ献血ボランティアの誓い~ 】

感染症「O157」に感染した男児を、隔離病棟で防護服を着た医療従事者が、治療及び血液の入れ替え(緊急輸血)を行っているイメージ画像です。
​​みなさんは献血のご協力をしたことがありますか?
​私には、忘れられない大切な思い出と、日本赤十字社様への深い深い感謝の思いがあります。
私の息子は幼少期から重い小児喘息やアトピー性皮膚炎などがあり、体が弱く常に入退院を繰り返していました。そんな時に、思いもよらない不運が我が家を襲いました。家族全員が「腸管出血性大腸菌O157」に感染してしまったのです。
​もともと体が弱く入退院を繰り返していた息子は、感染によって一気に病状が悪化して重症化してしまいました。大腸菌が産生するベロ毒素によって体内の赤血球が次々と破壊され、急性腎不全や血小板減少を引き起こす「溶血性尿毒症症候群(HUS)」という非常に重篤な合併症を発症してしまったのです。
​息子は直ちに病院の隔離病棟(集中治療室)へ搬送されました。小さな体に無数の管が接続され、自力で血液機能を維持することができず、大量の輸血を行わない限り命が助からないという非常に危機的な状況に陥りました。
​担当医から呼び出され、このように宣告されました。
「ベロ毒素や破壊された血液成分を体外へ排出・交換するため、大量の血液を入れ替える『血漿交換療法』および『大量輸血』を行わなければ、息子さんの命は助かりません。大量の血液を体内に投入することには相応の医療リスクや副作用の可能性も伴いますが、今はこの処置を行う以外に救命の道はありません」
​医師の言葉に一瞬息が止まる思いでしたが、先生方を信じて処置をお願いしました。そして、多くの方々の善意によって集められた尊い血液が、無数の管を通じて息子の体内へと注入されました。その結果、奇跡的に病状は回復へと向かい、息子は命を取り留めることができたのです。
​この出来事があってから、私は献血に対して言葉では言い表せないほどの重い感謝の気持ちを抱き続けています。もしあの日、日本赤十字社を通じて血液を届けてくださった名もなき献血者の方々がいらっしゃらなかったら、息子の命はありませんでした。
​だからこそ、私は仕事の一線を退いた60歳という節目の年から、日本赤十字社の献血広報活動(献血呼びかけボランティア)を組織的に行うため、福祉支援団体アイズルームを立ち上げました。
​現在、私は「全盲」という視覚のハンディキャップを抱えています。しかし、目の前が真っ暗であっても、心の中にはあの日息子を救ってくれた輸血の温かい光が灯っています。その感謝を胸に、今日も街角に立ち、大きな声を出して「献血へのご協力をお願いします!」と呼びかけています。
​今日はぜひ、みなさんにも献血について少し一緒に勉強していただきたいと思います。
​日本赤十字社が公開している公式動画の内容を精査し、みなさんが疑問に思う点をQ&A方式でわかりやすくまとめました。生命に関わる非常に大切な情報ですので、数値や内容に誤りがないよう細心の注意を払って確認しております
​《献血にはどのような種類があるの?》
​献血には大きく分けて「全血献血」と「成分献血」の2種類があります。
​全血献血
血液中のすべての成分を採血する方法です。
​成分献血
血小板や血漿といった特定の成分だけを採血し、赤血球などは体内に戻す方法です。
​なお、献血の種類や採血量によって、協力できる年齢基準がそれぞれ異なっています。
​《いただいた血液はどのようなものに使われているの?》
​みなさまからいただいた血液は、怪我や手術の際の「輸血用血液製剤」として使われるだけではありません。
​血液中の成分を抽出・精製して作られる「血漿分画製剤」というお薬にも姿を変えます。このお薬は、神経疾患、川崎病などの免疫疾患、血友病、さらには大量出血によるショック状態の治療など、実に多様な医療現場で患者さんの命を救っています。
​《1日にどれくらいの人の献血が必要なの?》
​現在、日本では1日平均で約1万4000人の献血協力が必要です。
​多くの方は「輸血=事故や怪我」というイメージをお持ちかもしれませんが、実際には全体の約8割が「悪性腫瘍(がん)」の治療などの病気治療に使われています。
​血液は技術が進んだ現代でも人工的に作ることができず、長期保存もできません。そのため、絶え間ない献血へのご協力が不可欠なのです。
​《若い世代の献血状況はどうなっているの?》
​実は、若年層の献血協力者数が急減しており、非常に深刻な課題となっています。
2015年には10代から30代の献血者数が約204万人いらっしゃいましたが、2025年には約156万人にまで減少しています。この10年間でなんと約23%も減少しているのです。
少子化の影響で10代から30代の人口自体が大きく減少していくことも予測されており、このままのペースで減少が続けば、将来必要な輸血用血液が不足し、救えるはずの命が救えなくなる危険性があります。
​《献血はどこでできるの?時間はどれくらいかかるの?》
​献血は日本全国にある「献血ルーム」や「献血バス」で行うことができます。献血ルームでは、休憩スペースに飲料やお菓子、雑誌などが用意されており、快適に過ごせる工夫がされています。どちらの現場にも医師や看護師が常駐していますので、初めての方でも安心してご協力いただけます。
​所要時間は、受付から問診、採血、そして採血後の休憩まで含めて全体でおよそ60分(約1時間)です。実際に針を刺している時間はたった10分から15分程度です。
​たった60分という時間で、誰かの命を救うことができます。
​また、「体調や持病の理由で自分自身は献血ができない」という方に向けた取り組みもあります。献血の重要性を周りのご家族やご友人に話して伝えるだけでも、誰かの命を助ける大きなきっかけになります。
​今回ご紹介した内容は、日本赤十字社公式のYouTube動画でも詳しくわかりやすく解説されています。
​動画タイトル:What’s KENKETSU? ~よくわかる献血のはなし~【日本赤十字社】
動画URL:https://www.youtube.com/watch?v=12gIeMi93c8
​皆様も参考のために1回はご覧ください。あなたの一歩、あなたのひと声が、かけがえのない命を救う力になります。ご協力を心よりお願い申し上げます。
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