昨日も、最近通っている流山おおたかの森SCの韓国料理店「KollaBo」に行ってきました。本場の味わいが楽しめる落ち着いた空間で、スタッフとのお気に入りのお店です。前回食べてとても美味しかったので、1週間も経たないうちに2回目の訪問となりました。
私は普段からスタッフと業務の打ち合わせを兼ねたランチミーティングをよく行います。美味しい食事を取りながらの時間は、デスクで話すよりもリラックスでき、良い企画や会社・仕事の改善点など、スタッフの本音やアイデアが次々と飛び出します。
​しかし、ここで私個人にとってひとつ困った問題が発生します。相手の話を聞きながら、噛んでいる最中に「うん、そうだね」「そのアイデアいいね」と相槌を打っていると、勢いあまり舌や頬の内側の肉を噛んでしまうのです。人間、そう器用にはいきません。口の中のものを完全に飲み込んでから返事をすれば良いのですが、会話の波に乗っていると突発的に声が出てしまいます。そして最終的には、数日間痛みが続く口内炎へと悪化してしまうのです。
​市販の薬を使えば比較的早く治るのですが、全盲の私にとって、ドラッグストアへ行って目当ての薬を探し出すことは決して簡単ではありません。では、なぜ一度噛んでしまうと口内炎になり、どのように治っていくのでしょうか。ここで少し、医学的なエビデンス(科学的根拠)交えてそのメカニズムを解説します。
​【口内炎の発生と自然治癒のメカニズム】
​創傷の発生と物理的損傷
食事中に頬や舌を噛むと、粘膜の表面(上皮組織)が破壊され、物理的な傷(創傷)が生じます。口の中は神経が非常に過敏なため、小さな傷でも強い痛みを感じます。
​炎症反応とカタル性口内炎の形成
傷口から口内の常在菌が侵入すると、体は免疫反応を起こします。血管が拡張して白血球が集まり、細菌の繁殖を防ごうとします。この過程で赤く腫れ上がり、いわゆる「カタル性口内炎」や「アフタ性口内炎」へと変化します。また、一度噛んで腫れた部位は膨らむため、会話や食事の際にもう一度同じ場所を噛んでしまうという悪循環が起こりやすくなります。
​自然治癒のプロセス(組織再生)
口の粘膜は、体の中でも非常に修復スピードが速い組織です。
・凝固・炎症期(1〜2日目): 傷口の血を止め、白血球が雑菌を掃除します。
・増殖期(3〜5日目): 上皮細胞が活発に分裂し、新しい粘膜の層を作り出します。
・成熟期(6日目以降): 組織が整い、元通りのきれいな粘膜へ再生します。
通常、適切な口腔ケア(清潔を保つこと)を行っていれば、特別な薬を使わなくても数日から1週間程度で自然治癒していきます。
​このように体は健気に傷を治そうとしてくれますが、やはり痛いものは痛いですね。
​私自身、ランチミーティングがない日は、自宅から持参した「おにぎり2つ」を食べています。
​私は全盲のコンサルタントとして、倒産寸前の赤字会社を救済する仕事に情熱を注いでいます。経営が黒字に転換するまではコンサルティング費用を一切いただいておりません。また、それ以外にも無償のボランティア活動に全力で取り組んでいます。そのため、ビジネスとして明確な利益を生み出す大切な打ち合わせ以外では、贅沢なランチミーティングは行いません。
​一人静かに、黙々と持参したおにぎりを食べてお昼を終えます。
みんなとワイワイ食べる賑やかで美味しいランチも素晴らしいですが、一人でおにぎりを噛み締めながら、「次はどんな仕事で会社を再生させようか」「どんなボランティアで誰かを助けられるだろうか」と未来に思いをはせる時間。握ったおにぎりに夢を込め、黙って味わうこの時間もまた、私にとっては掛け替えのない「夢の時間」なのです。
​毎回美味しいものばかり食べていたら、味覚や心がそれに慣れてしまい、感動が薄れてしまいます。視線を広げて世界を見渡せば、今日食べる温かい白いおにぎりさえ手に入らない国や地域がたくさん存在します。
​私は目が見えません。しかし、頭を使い、情熱を持って仕事ができ、誰かの役に立つボランティア活動に力を注ぐことができます。その上で、毎日美味しい白いおにぎりを2つも食べられる。これ以上の幸せがどこにあるでしょうか。
​幸福感というものは、決して他人と比べるものではありません。「あの人より良いものを食べている」「あの人より稼いでいる」といった比較の中に本当の幸せはありません。自分にとっての幸福感とは何かを問いかけ、人と比べない自分だけの幸せの基準を見つけること。それこそが、一度きりの人生を心から楽しむための本質だと私は信じています。
​今日も口の中の痛みに少し苦笑いしながら、命の恵みと自分の役割に感謝して、おにぎりを噛み締めています。