【IQによって違う見えてる世界とは?話が噛み合わない・伝わらないトラブルの裏にある認知構造の違いと現場での解決策】

      

【IQによって違う見えてる世界とは?話が噛み合わない・伝わらないトラブルの裏にある認知構造の違いと現場での解決策】

福祉支援団体EYESROOM主催の「福祉とASI」をテーマとしたセミナーにて、石原代表が登壇し大勢の前で力説しているイメージ画像です。
​皆さんこんにちは。
医療・介護、そのような分野に関連した情報提供をしている福祉支援団体EYESROOMの石原です。
本日は IQ について考察したいと考えております。
​日常の業務やチームでのコミュニケーションの中で、「なぜ自分の意図が正確に伝わらないのだろう」「なぜ同じ説明をしているのに受け取り方に大きなズレが生じてしまうのか」と疑問や葛藤を抱いたことはありませんか。
​私自身、日頃から早口で話す傾向があり、初めてお会いする方からは「何を言っているのか理解するのが難しい」と言われることが少なくありません。この現象について背景を探っていく中で、一つのヒントとして「私自身のIQが130前後であること」が原因の一つとして関係していると考え至りました。
​本来であれば、順序立てて1から順番に論理を展開し説明すべきところを、思考のスピードが先行するあまり、途中のプロセスを大きく省略して一気に結論へと進んでしまう癖があります。そのため、部下に対して指示や業務説明を行っている際にも、「なぜこんなことができないのか」「なぜ理解してもらえないのか」と、知らず知らずのうちに焦りや不満を漏らしてしまう時がありました。
​職場において、IQや認知特性の違いによって私が説明していることを部下が理解できない状況は、単なる意思疎通のミスにとどまりません。指示の取り違えや業務の二度手間に繋がり、最終的にはプロジェクト全体の進行遅延や品質低下といった深刻なリスクを引き起こす問題となります。
​【IQごとに異なる「見えている世界」と思考プロセスの違い】
​知能指数(IQ)の数値の違いは、単なる「頭の良し悪し」ではなく、その人が世界をどのように認知し、どのように情報を処理しているかという「抽象化の段階(思考プロセス)」の違いを表しています。
​1.IQ 70前後(境界知能領域)の世界
目に見える現実(今日の天気、目の前にある物や数字)は明確に捉えられますが、目に見えない概念や未来の予測(「もし〜なら」「2年後の自動更新」など)の解像度が低くなる傾向があります。具体的・直接的な表現でないと理解が難しく、行政手続きの書類理解や説明書通りの組み立てに困難を感じやすくなります。周囲からは「やる気がない」と誤解されがちですが、本人は「なぜみんなと同じようにできないのか」と一人で困惑しているケースが多く存在します。
​2.IQ 100前後(平均領域)の世界
社会の大部分を占める標準的な領域です。決まった手順や条件分岐(もし〜なら)を適切に扱い、日常のルールやマニュアルをスムーズに消化できます。世の中の看板、手続き書類、業務マニュアルの多くはこのIQ 100の思考プロセスに合わせて設計されているため、社会生活におけるコミュニケーションの摩擦が最も少なくなります。ただし、前例のないトラブルやマニュアルの外側にある抽象的な問題に直面した際には、何をすればよいか立ち尽くしてしまうことがあります。
​3.IQ 130前後(高IQ・ギフテッド領域)の世界
相手の話を最後まで聞く前に全体構造や結論が見えてしまう領域です。複数の変数を頭の中で同時に処理し、一見バラバラに見える出来事から共通のパターンや因果関係を瞬時に見出します。そのため、仕事では「話の途中を大幅に飛ばして結論へ飛翔する」という思考プロセスをとります。周囲からは「話が急に飛ぶ」「説明が飛躍している」と見え、本人側からは「なぜみんなこんなに簡単な構造に気づかないのか」という焦りや退屈が生じやすくなります。
​4.IQ 160以上(超高IQ領域)の世界
数式や理論、抽象的な構造そのものが、目の前にある物体と同じような手触り感をもって直接的に認識される世界です。思考の解像度が極めて高い一方で、最大の課題は「周囲に同じ景色を見ている人が存在しない」という孤立感にあります。「他の人にはこの構造が見えていない」という事実そのものを理解することが困難であり、コミュニケーションの断絶や不調に悩まされることも少なくありません。
​【医学的・学術的なエビデンスに基づく分析】
​医学・心理学の知見において、知能検査(WISCやWAISなど)は「言語理解」「知覚統合・視空間」「作動記憶(ワーキングメモリ)」「処理速度」という複数の領域から個人の情報処理の特徴を可視化する指標とされています。厚生労働省や医療機関における発達・認知機能のアセスメントにおいても、IQは総合的な優劣ではなく、その人が「どのように情報をインプットし、処理し、アウトプットしているか」という認知特性やバランスを把握するために活用されています。
​また、心理学者レータ・ホリングワース(Leta Hollingworth)らの知能研究における議論では、「IQの差が大きく広がると、前提となる共通文脈が形成しにくくなり、対等でスムーズな意思疎通に摩擦が生じやすくなる」という構造が指摘されています。
​さらに、政治学者ジェームズ・フリンが提唱した「フリン効果」によれば、時代や教育環境・訓練の度合いによって社会全体のIQスコアは変化することが知られており、IQとは生来の脳の特性に加えて「抽象的な思考・分析を行う訓練をどれだけ重ねてきたか」を示す尺度でもあります。
​つまり、話が噛み合わない本質的な原因は、相手の能力が低いからでも、自分の教え方が拙いからでもなく、お互いの「頭の中にある情報の処理構造や見えている世界の違い」にあります。
​【私自身が今後どのように気をつけるべきか】
​思考スピードが速く、プロセスを飛ばしがちな立場として、業務上のプロジェクトに悪影響を出さないためには以下の点に留意する必要があります。
​・自分の思考プロセスを「翻訳」して言語化する
結論にすぐ飛ぶのではなく、「なぜその結論に至ったのか」という中間のステップや前提条件を省略せずに、あえて一段階ずつ丁寧に開示して説明する。
​・抽象論ではなく具体的な手順や視覚情報に落とし込む
口頭の抽象的な説明だけでなく、図式、箇条書きのメモ、段階的な手順書などを併用し、相手のワーキングメモリの負担を減らす工夫をする。
​【まとめ:理解の構造の違いを認め合うアプローチへ】
​最終的に私たちが到達すべき結論は、IQの数値を理由に相手の頭の良し悪しを評価したり、自分の基準を一方的に押し付けたりすることではありません。
​お互いが IQ や認知特性の違いを正しく認め合い、「頭が良い・悪い」という問題ではなく「情報を理解する構造や見えている世界そのものが違っている」という事実を十分に把握することです。
​自分が見ている景色を「当たり前」だと思わず、相手の領域や視点に立ち、相手の理解しやすいスピードと順序で丁寧に説明を重ねていくこと。お互いの認知構造の違いを理解し、歩み寄ることこそが、業務上のトラブルを防ぎ、良い方向に組織を導く鍵となります。
【福祉支援団体EYESROOM 代表 Profile・講演依頼】
https://www.speakers.jp/speaker/ishihara-koichi
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