【医療の現場と最新ロボット手術を凝縮した一冊/中山祐次郎著『俺たちは神じゃない―麻布中央病院外科―』の要約と解説】

      

【医療の現場と最新ロボット手術を凝縮した一冊/中山祐次郎著『俺たちは神じゃない―麻布中央病院外科―』の要約と解説】

最新外科ロボティクス手術中のイメージ画像です。
​おはようございます。
福祉支援団体EYESROOM代表の石原です。
本日は、1つの本についてご紹介をさせていただきます。
​私自身、高校を卒業した後、超音波・放射線診断画像解析医療機器のソフトウェア開発会社を立ち上げ、その後クリニック用自動予約システム・レセプト開発関連の仕事をさせていただきました。現在は医療・介護分野で多くの方と面談し、現状のリアルな話をお聞きすることとともに、医療・介護現場の改革を情報発信という立場からチャレンジしています。
​なぜなら、現在は全盲になってしまったため、自ら一人一人に対して直接支援をすることが難しくなってしまったからです。そのため、自分でできることだけをボランティア活動の一環として行っています。
​さて、今回の本ですが、中山祐次郎先生が執筆された『俺たちは神じゃない―麻布中央病院外科―』(新潮文庫)です。
​私は視覚に障害があるため、現在はデイジー図書などの音声録音図書を利用して多くの本に触れています。本書もデイジー図書を通じて耳で聴き、非常に深く感銘を受けました。
​著者の経歴と本書の要約について、正確な情報を詳しくまとめました。
​【著者紹介:中山祐次郎(なかやま・ゆうじろう)先生】
執筆の活動で知られる中山祐次郎氏は、1980年神奈川県生まれの現役外科医であり、小説家・医療ジャーナリストでもあります。鹿児島大学医学部を卒業後、都立駒込病院などで外科研修を修了され、京都大学大学院にて公衆衛生学修士を取得されています。
​消化器外科(大腸がんや内視鏡手術、ロボット支援手術など)の第一線で年間数多くの手術を執刀する傍ら、医療現場の真実を伝える執筆活動を精力的に行っておられます。
​主な代表作・著書:
・小説『泣くな研修医』シリーズ(累計60万部を超えるベストセラー、テレビドラマ化)
・小説『俺たちは神じゃない』シリーズ
・新書・一般書『医者の本音』『がん外科医の本音』『幸せな死のために一刻も早くあなたにお伝えしたいこと』など多数
​【本のあらすじと専門的な内容の解説】
物語の舞台は、麻布中央病院の外科です。
腕利きの中堅外科医である剣崎啓介と、陽気な関西弁の相棒・松島直武という絶妙なコンビを中心に描かれています。
​本書では、以下のようなリアルな医療現場の課題や人間模様が緻密に描かれています。
​医療用ロボットを用いたロボット支援手術の描写
現在、医療界で当たり前のように導入されている「手術支援ロボット」を活用した外科手術がリアルに描かれます。院長から国会議員の癌切除手術を依頼された剣崎と松島は、得意とするロボット手術に臨みます。しかし、その最中に予期せぬ機器トラブルや予期せぬ危機の事態が発生します。精密なロボット技術と、それを扱う人間の執刀医・助手の息の合った連携、麻酔科医との緊迫したやり取りが非常にリアルです。
​専門用語と医療現場の緊迫感
作中には「コードブルー(緊急事態発生の館内放送)」や、出血管理、術中麻酔管理など、実際のオペ室で行われている専門用語や手技の描写が溢れています。少し医療に携わった人間にとっても、共感と驚きをもって引き込まれる内容となっています。
​医療界の構造的課題や感情の葛藤
病院内の人間関係や世襲制にまつわる闇、重い障害(脊髄損傷)を抱える患者さんへのアプローチ、身寄りのない高齢患者の意思決定など、一筋縄ではいかない「命の選択」と向き合う医師たちの葛藤や感情の揺れが見事に表現されています。
​【まとめ】
医療のロボティクスをはじめ、現在では当たり前のように使われている医療用ロボットが、一般の方が受ける外科手術でどのように活用され、また現場の医師たちがどのような予期せぬ事態と闘っているのか。少しでもこの本を通してご理解いただければ、医療に関係する人間としてとても嬉しいです。
​本書は単なるフィクションの小説にとどまらず、医療業界の真の問題や、現場で生きる外科医・医療従事者がどのような考えで、どのような想いを持って命と向き合っているのかを鮮明に教えてくれます。一般の方が医療と向き合う際にも、外科医のリアルな思いを知る素晴らしいきっかけになる一冊だと思います。 
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