​私たちは今、歴史の転換点に立っています。ChatGPTやGemini(ジェミニ)をはじめとする現在のLLM(大規模言語モデル)の普及により、社会のデジタル化は一気に加速しました。しかし、これはほんの序章に過ぎません。これからの数年間で、AIは人間の知能と同等になるAGI(汎用人工知能)へ、そして最終形である「ASI」へと急速に進化していくと言われています。世界の最前線で開発に携わる人たちがどのような現実的課題に向き合っているのか、そしてこの激変期に私たちがどう準備すべきかをじっくり解説します。
​知識量も判断力も人間をはるかに凌駕する、AIの究極の完成形「ASI」
​AIの進化には明確なロードマップがあります。第一段階は、特定のタスクに秀でた現在の「Narrow AI(特化型AI)」です。次の段階が、人間と同等以上の適応力を持つ「AGI(Artificial General Intelligence)」であり、あと数年のうちに到達すると予測されています。そしてその先にある最終形が「ASI(Artificial Superintelligence:人工超知能)」です。ASIは、全人類の知恵を合わせたものよりも優れた知性を持つ存在であり、科学のブレイクスルーや複雑な社会課題の解決を自律的に行うレベルを指します。
​このASIの高度な知能が、最先端のロボティクスやIoTと融合することで「フィジカルASI」が誕生します。これはCyber-Physical Systems(サイバー・フィジカル・システム)としての融合を意味し、画面の中だけでなく、物理的な労働や医療・ケアの現場で実際に「身体を持って」自律的に動くAIが出現することを意味しています。
​世界で最も高齢化が進み、労働人口が減少している日本において、この技術は脅威ではなく救世主になり得ます。深刻なLabor Shortage(労働力不足)への特効薬として、人が足りない領域にフィジカルASIを導入することで、社会インフラを維持することが可能になります。世界のトップランナーたちは現在、単に高い知能を作るだけでなく、エネルギー不足やAIが嘘をつくハルシネーション(Hallucination)の克服といった極めて現実的な課題と戦っています。
​この激変する社会の中で、私たち福祉支援団体EYESROOM(アイズルーム)は、Human-Centric AI(人間中心のAI)の架け橋としての役割を果たしていきます。AIがどれだけ進化しても、ケアの本質や人の心に寄り添うことの価値は変わりません。介護や支援の現場における負担を軽減するため、最先端のフィジカルASIをいち早く理解し、現場のスタッフや利用者が安心して使える環境を整える先導役となります。
​超知能が暴走しないためには、AIの目的を人間の倫理に一致させるAI Alignment(AIアライメント)や、Global Governance(国際的な制度設計)というルール作りが急務です。日本も独自の社会事情を反映させた制度づくりに主体的に関与する必要があります。
​ASIが人間を超える世界を迎えるにあたり、私たちはAIに仕事を奪われると恐れるのではなく、強力なパートナーとして使いこなすMindset Shifting(意識の変革)が求められます。知識量や処理スピードでは敵わないからこそ、私たちは共感や地域社会のつながりといった、人間にしか生み出せない価値を磨く必要があります。EYESROOMはこれからも時代の最先端テクノロジーに目を配りながら、目の前の命と暮らしに寄り添う活動を続けてまいります。