​こんにちは。今回は、私が同じ障害に関わる事業者として、そして当事者として、どうしても見過ごすことのできない重大な出来事と、これから手を取り合って進めていく新たな希望のプロジェクトについてお話しします。
​まずは、先日配信されたYouTube番組「令和の虎」に登場し、現在大きな注目と、同時に信じがたい逆風に立ち向かっている一人の女性起業家の取り組みについてご紹介します。
​株式会社四鏡と一般社団法人Inclusive Wisの取り組み
​番組に出演された玉置 志布(たまき しほ)氏は、全盲の娘を持つ母親としての視点から起業し、2024年に二つの組織を設立しました。
​株式会社四鏡(SHIKYO.Ltd)
​2024年に設立されたこの会社は、障害を抱えるアーティスト(パラアーティスト)の独自の感性や表現を活かした、共創型のブランディングおよび製品販売事業を展開しています。埼玉の酒蔵と提携し、パラアートをラベルに起用した日本酒「江戸彩 -edosai-」の共同ブレンド・体験型販売など、アートを単なる福祉の枠に留めず、市場で戦える高い商業価値として流通させる挑戦を続けています。
​一般社団法人Inclusive Wis
​同じく設立されたこの団体は、障害や個性による差別や偏見のない「インクルーシブ社会」の実現を目指しています。子供たちの心の器を広げ、一人ひとりの違いが尊重される社会を作るための活動を行っており、先進的なビジコンでも高い評価を獲得しています。
​これらの取り組みは、障害を持つ人々の可能性を広げ、彼らの表現活動を正当な対価へとつなげるための、極めて尊く、社会的意義の大きい挑戦です。
​「令和の虎」の番組内で起きた、許しがたい人権侵害と差別
​しかし、この玉置社長の挑戦を紹介したYouTube番組「令和の虎」において、極めて深刻な問題が発生しました。
​番組の中で、一部の虎(審査員)たちから、現在の社会ではおよそあり得ないほどの罵声や、信じがたい誹謗中傷が玉置社長に向けて浴びせられたのです。玉置社長が途中で泣き出してしまうような場面もありました。
​その罵声の内容は、「障害を売り物にしている」「障害者の背景をわざわざ表に出してアピールすることは偽善であり、良くない」といった、障害の本質や福祉の現状を一切理解しようとしない、極めて偏ったものです。これは、支援や表現の場を奪いかねない、完全な差別発言です。
​私自身、視覚障害をはじめとする障害を持つ当事者であり、私の経営する会社のスタッフにも障害を抱える仲間がいます。そして私は、自分自身が障害を負う前から、ずっと障害を抱える方々の支援や社会的な活動に携わってきました。だからこそ、今回の番組内での虎たちの発言が、どれだけ当事者やその家族、そして現場で日々奮闘する人々を深く傷つけたのか、怒りと悲しみで胸が張り裂けそうです。激しい怒りを禁じ得ません。
​「障害者の背景を出すことが偽善だ」などという主張は、自らの意思を表現し、社会とつながろうとするパラアーティストたちの尊厳を根底から否定する行為です。彼らの個性を否定し、ふたたび見えない場所に押し込めようとする、時代遅れで心ない人種差別的な暴論にほかなりません。
​今たまたまビジネスで成功し、偉そうに壇上から他者を品定めしている虎たちも、明日は我が身かもしれないのです。事故や病気、あるいは年齢を重ねることで、明日突然、障害者になる可能性は誰にでもあります。自分がいつ当事者になるかもわからないという謙虚さも持たず、社会的弱者を守り立たせようとする起業家を寄ってたかって責め立てる姿は、あまりにも醜悪です。
​ともに社会を変える活動家として
​しかし、私はこの理不尽な嵐の中で、毅然と立ち向かっていた玉置社長の姿に、大きな可能性と希望を見出しました。この理不尽な放送を正しく見極めることで、私は玉置社長の素晴らしい活動を深く知ることができました。
​全盲の娘さんを育てる彼女は、私と同じように、これからの社会を本気で変えていこうとする情熱を持った「活動家」です。
​そこで私は、早々に玉置社長へ連絡を取らせていただきました。私たちが取り組む事業と、彼女が情熱を注ぐ障害者アートを掛け合わせ、何か素晴らしいコラボレーションができないか、具体的なプロジェクトを共に進めていきたいと思っています。
​心ない言葉で傷つける者がいる一方で、当事者たちの表現を輝かせるための具体的な行動を起こそうと私は考えています。