【福岡県議会の闇 海外視察は助長だった その裏には本当の闇が存在した】

      

【福岡県議会の闇 海外視察は助長だった その裏には本当の闇が存在した】

元国税調査官シロクマくんYouTubeチャンネルのご案内をしているイメージ画像です。

​近年、地方自治体や政治家のあり方を問うニュースが絶えませんが、福岡県議会を巡る一連の疑惑は、その中でも極めて深刻な構造的闇をはらんでいます。
​この問題の全体像と裏に隠された真実について、元国税調査官の税理士が鋭く切り込むYouTubeチャンネル「元国税のシロクマくん」の配信番組「【福岡県議会の闇】ワンヘルスに県民の税金が吸い込まれている…?蔵内議長が主導するワンヘルスの正体とは?」の内容をソースとして、その実態を詳しく紐解いていきます。
​事の発端は、福岡県議会の海外視察費3億円という巨額の支出にありました。しかし、それはあくまで序章に過ぎなかったのです。その奥深くには、桁が二つも違う、さらなる巨大な闇が存在していました。
​すべての問題に共通するキーワードは「ワンヘルス」です。これは人、動物、そして環境の健康を一体のものとして守っていこうという理念であり、世界保健機関(WHO)なども推進する極めてまっとうな国際概念です。動物保護や環境保全の観点からも、本来であれば非常に大切にすべき取り組みです。
​しかし、この誰もが反対できない「地球環境や生命に優しい美しい看板」の裏側で、県民の血税が極めて不適切に運用され、特定の権力者の周辺に吸い込まれていく構図が浮き彫りになりました。
​問題の第1は、理念を隠れ蓑にした「利益相反」の構図です。
福岡県は2020年に全国で初めてワンヘルス推進基本条例を制定しました。この条例を主導したのが、県議会の重鎮であり、同時に獣医師界のトップ(世界獣医師会の会長などを歴任)でもある議員です。議会とは本来、行政の予算の使い方を厳しくチェックする立場にあります。しかし、チェック側のトップが、自身の専門領域であり関係団体の利益に直結する「ワンヘルス」というテーマに、県議会の立場を利用して自ら条例を作り、予算の蛇口を開いて導くという、極めて不適切な利益相反の構造を作り上げていました。
​問題の第2は、実績ゼロで閉鎖された「6000万円の公園」です。
2022年11月、人や動物との触れ合いを通じてワンヘルスを学ぶという趣旨で、6000万円以上の税金をかけて「ワンパーク」という公園が整備されました。しかし、その目玉事業であった馬術体験の利用者は1日平均わずか1人でした。そして、開設から1年も経たないうちに、ほぼ何も残さず閉鎖されてしまったのです。内部資料の報道によれば、この公園は住民の需要を無視し、主導した議員が自ら大会長を務める国際大会の開催時期に合わせて「ワンヘルス先進国」としての見栄えを海外ゲストに示すための「展示品」として急造された疑いがあります。展示会が終われば用済みと言わんばかりに閉鎖されたこの事業は、まさに税金の私物化と無駄遣いの象徴です。
​問題の第3は、規定の10倍に上る「講演料の架空上乗せ支払い」です。
この主導的立場にある議員が県民向け講演会で講師を務めた際、55分間の講演に対し10万円の謝礼が支払われました。福岡県の規定では、講師謝礼は1時間あたり6000円から9000円と定められています。規定を大幅に超える10倍以上の金額を支払うため、県は実際には存在しなかった「事前打ち合わせ時間」や「資料作成時間」を約15時間分も上乗せし、架空の準備時間を書類に計上していました。国税のプロである動画の投稿者は、民間企業であれば重加算税という重いペナルティが課される極めて悪質な「仮想隠蔽行為」であると指摘しています。
​問題の第4は、特定の部署への不適切処理の集中です。
福岡県が5年間の講師謝礼(約5800件)を調査したところ、不適切な処理が89件発覚しました。驚くべきことに、そのうちのほぼ半分に当たる42件が「ワンヘルス担当課」という、たった1つの部署に集中していました。これは、特定の有力議員への忖度と、「ワンヘルスに関することであれば規定を曲げてでもお金を流してよい」という歪んだ力学が組織内で常態化していたことを証明しています
​問題の第5は、現在進行形で進む「200億円規模の巨大施設(ワンヘルスセンター)」の建設です。
この一連の疑惑を受け、知事が議会で「ワンヘルスといえば何でも予算がつくという誤解を生じさせた」と謝罪したにもかかわらず、巨額予算の蛇口は閉まっていません。現在、福岡県みやま市には、総事業費約200億円をかけた「ワンヘルスセンター」の建設が強行されています。その財源として、将来的には県民の税金で返済しなければならない借金である「ワンヘルス債」が50億円も発行されており、次世代への重い負担となっています。さらに、表向きの予算は削減したと説明しながらも、ワンヘルスの名称がついた事業を複数の課に細切れに分散させて隠蔽し、来年以降の支払いを約束する「債務負担行為」を利用して、裏では展示施設などに約10億円の支出を約束するという、姑息な予算のラベル貼り替えが行われていることも明らかになりました。
​このような、環境問題や動物愛護という誰もが賛同するテーマを隠れ蓑にして、国民や県民の税金を不正に還流させる仕組みがまかり通っているのが、今回の問題の本質です。
​そして、私たちEYESROOMが障害福祉の現場や環境問題、動物保護などの分野で、本当に地球環境や社会的弱者に優しい社会を目指す立場から、この問題をさらに深く考えたとき、私たちはもう一つの極めて重大な本質に突き当たります。
​それは、なぜこのような議員を見過ごし、選挙で勝ち上がらせてしまったのかという、福岡県民・有権者自身の責任です。
​うわべだけの選挙活動、見た目の良いスローガンやパフォーマンスばかりが先行し、その政治家の人間の本質や、裏に潜む利権構造が有権者に全く伝わっていません。地盤、看板、そして圧倒的な資金力を持ち、ただチラシを配り、企業や団体の利権に忖度するだけの政治家が、選挙の仕組みによって受かってしまう。これこそが、地方政治、延いては日本全体の政治における最大の制度的欠陥ではないでしょうか。
​本来、福祉や環境、生命を大切にする政治家こそ、最も他者を思いやり、社会の痛みに寄り添える存在でなければなりません。しかし現状は、地元の有力者や「ドン」と呼ばれる権力者が、美しい言葉を道具にしてやりたい放題やり、それに組織や行政が忖度して税金を流し続ける構造が完成してしまっています。
​私たちは、うわべの言葉に騙されることなく、政治家個人の本質を見極める目を養わなければなりません。形式が整っていることと、そのお金の使い道や政治姿勢が正しいかどうかは別問題です。今回の福岡県議会の問題を他山の石とし、私たちが暮らすそれぞれの自治体においても、まっとうな言葉を悪用した税金の搾取が行われていないか、監視の目を向け続ける必要があります。有権者一人ひとりが利権にノーを突きつけ、本物の志を持った政治家を育成・応援していくことこそが、こうした政治の闇を根本から払拭する唯一の道なのです。
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