【なぜ米は余っているのに安くならないのか?5kg 2500円に戻らない背景と政治・農協のカラクリ】

      

【なぜ米は余っているのに安くならないのか?5kg 2500円に戻らない背景と政治・農協のカラクリ】

お米不足・高騰による政府備蓄米、イオン販売価格表示掲示板の画像です。(5㎏1,980円)

​米の価格が高騰を続け、日常の食卓を直撃しています。以前であれば5kg入りが2500円ほどで購入できたものが、高値を更新し続けてきました。福祉団体「EYESROOM」が支援しているような生活弱者の方々も、現在はカップラーメンを中心とした食生活を余儀なくされており、本来なら温かい白米を食べたいと願っています。5kgで2500円なら手が出せても、3500円となると購入をためらってしまうのが現実です。米が高すぎると、人々は代わりにスパゲティやパンなどの麺類・小麦製品へ走ってしまい、日本の米消費そのものにも影響を与えます。生活を守るためにも、以前のように5kg 2500円で買える水準に戻ってほしいと誰もが望んでいます。
​農林水産省が発表したデータによると、全国のスーパーにおけるコメ5kg当たりの平均価格は3403円、銘柄米の平均価格も3455円と、ようやく3500円を切る兆しが見えてきました。さらに、農水省の試算では生産量に対して需要見通しが下回っており、令和の米騒動と言われた時期から一転して、現在は米が供給過剰で余っている状態です。
​需要と供給のバランスだけで見れば、米の価格はもっと下がるはずです。それにもかかわらず、価格が2500円水準までスムーズに下がらない背景には、市場と政治をめぐる複雑な仕掛けが存在します。
​ここで思い起こされるのが、かつて自民党農林部会長などとして農政改革の先頭に立った小泉進次郎氏の取り組みです。彼は唯一、農協(JA)の既得権益と正面から戦い、規制緩和に向かって立ち上がった政治家でした。減反政策による価格維持ではなく、規制を緩めて農業を強化し、「米をたくさん作って供給を増やす」という攻めの農政へと政策を転換しようと挑みました。本来なら、こうした規制緩和と増産・自由な流通こそが、美味しいお米を安く国民の食卓へ届ける理想的な道筋です。
​しかし、現在の農政の動きはその理念とは真逆の方向へ向かっているように見えます。宮城大学の大泉一貫名誉教授の指摘によると、価格が下がらない主な原因は集荷業者である農協(JAグループ)などが在庫を大量に抱え込み、出荷にブレーキをかけている点にあります。かつて江藤拓農林水産大臣(当時)の指揮下で政府備蓄米が約31万トン放出された際、その約9割をJA全農が落札しました。この入札には「原則として一定期間内に同品質・同量のコメを政府が買い戻す」という条件がついていました。
​農協側からすれば、自力で在庫を処理しようと安値で卸せば損失が出ますし、市場価格も下落します。そのため、管理によって米を減らし価格を維持しようとしながら、政府に備蓄米を買い戻させることで、価格を下げずに在庫を引き取ってもらおうという思惑が働きます。国会議員などを通じて鈴木憲和農林水産大臣や政府へ早期の買い戻しを迫る動きが出るのも、そうした背景があるからです。
​高市早苗首相は参議院予算委員会などで、備蓄米の買い戻しについて「需給状況を見定めた上で適切に判断する」としつつも、物価高対策に逆行する形での安易な買い戻しには慎重な姿勢を示しているとも報じられています。
​もし政府が買い戻しに応じなければ、農協以外の民間集荷業者や中小卸業者は、新米が出回る前に「古米」となった在庫を損切りして安値で市場に放出せざるを得なくなります。大泉名誉教授の予測では、市場の圧力によって5kg当たり3000円程度、場合によっては2980円前後の価格が店頭に並ぶ可能性が示唆されています。
​しかし、生活弱者や一般家庭が真に求めている「5kg 2500円」という水準まで下げるには、過度な管理や価格維持に頼るのではなく、かつて小泉氏が目指したような規制緩和と増産政策、そして自由な市場流通を取り戻すことが不可欠です。米が余っているにもかかわらず安くならないカラクリを解消し、誰もが安心して主食である白米を食べられる環境を整えることが、今まさに求められています。
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