​厚生労働省の障害者実態調査等によると、これまで就労している視覚障害者の中で最も高い割合を占めてきたのは、あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師などの三療分野を中心とした専門・技術職です。また、近年ではパソコンの音声読み上げソフト(スクリーンリーダー)を活用したデータ入力、書類作成、電話オペレーター、初期の文字起こしやライティングといったデスクワーク職種への就労も広がってきました。
​しかし、人間と同等以上の自律的な思考とタスク実行力を持つ汎用人工知能(AGI)が社会のインフラとして完全に定着する2035年、労働環境は過去にないレベルで激変します。これまで「視覚障害者の主要なPC仕事」として位置づけられてきた領域の多くが、AIの進化によって失われる現実を直視しなければなりません。
​2035年には、単に音声を聞いてテキストに入力する作業、定型の電話問い合わせ対応、マニュアルに沿ったデータ整理や一次文章の作成といった手作業中心のタスクは、AIが瞬時にかつほぼノーコストで代替するようになります。こうした従来の「作業型データ入力や定型事務」の雇用枠は急激に減少していきます。
​一方で、2035年のAGI時代において需要が大幅に拡大するのは、AIを司令塔として扱い、人間にしか提供できない高度な意思決定や共感力を付加価値として乗せられる仕事です。視覚障害者のキャリアは、従来の「単純作業の請負」から「高度なAIディレクションおよび人間中心のコンサルティング業務」へと完全に移行します。
​特に若手の視覚障害者の方が、AIに代替されずむしろAIを武器にして市場価値を高めるために、今から優先して身につけるべき先見性のある技術・スキルは以下の3つです。
​AGIディレクションおよびオーケストレーション技術
AIに漠然とした指示を出すだけでなく、複雑なビジネス課題を解体し、複数のAIツールを組み合わせて望む成果物を導き出す司令塔としてのスキルです。スクリーンリーダーと音声入力を駆使して高速でAIと対話し、ビジネスの意思決定に必要な高度なデータ分析や戦略案を構築する能力は、身体的な視力の有無に左右されない強力な武器となります。
​アクセシビリティ・デバッグおよび人間中心設計(UX)評価
あらゆるシステムやサービスがAI化される中で、それらが障害者や高齢者にとって直感的に使いやすい構造になっているかを検証する能力の需要が爆発的に高まります。当事者の視点を持って「AIの音声インターフェースが適切か」「非視覚的な操作体験が損なわれていないか」を評価・改善提案する技術は、AI自身には代替できない不可欠な専門職です。
​高度対人カウンセリング・経営コンサルティング能力
AIが知識や計算を網羅しても、人間の深い悩みに共感し、情緒的な信頼関係を築きながら意思決定を支援する役割は置き換えられません。障害者雇用のコンサルティング、メンタルケア、キャリアデザインなど、人と人との対話と共感を軸にした領域は、2035年においてもさらに価値を高めます。
​AIの進化を脅威と捉えるのではなく、強力な相棒として乗りこなす技術を身につけることこそが、仕事の機会を失わずに真の自立を果たすための確実な道筋です。
​こうした技術革新と2035年の未来像を見据え、福祉支援団体EYESROOM(アイズルーム株式会社)は、汎用人工知能(AGI)やその先に控える人工超知能(ASI)の急速な普及を踏まえ、会社の事業内容(登記簿謄本)を改訂いたしました。
​単なる従来の福祉支援にとどまらず、最新のAI時代に対応した総合コンサルティング事業や、時代を先取りした障害者就労支援を展開してまいります。社会構造が大きく変化する中でも、皆様が時代の変化に取り残されることなく、先見性を持って活躍できるよう寄り添い続けます。あらゆる人が共に尊重し合い、平和に生きられる共生社会の実現に向け、一歩一歩確実に取り組んでまいります。