【「献血の日」に思う感謝の絆と、タンデム自転車がつなぐ視覚障害者の新たな挑戦 】

      

【「献血の日」に思う感謝の絆と、タンデム自転車がつなぐ視覚障害者の新たな挑戦 】

視覚障害者の男性が友人とタンデム自転車に乗り、野宿をしながら旅行する。写真は男性二人が一つの自転車に乗り笑顔で冒険をしている画像です。
みなさん、こんにちは。
​昨日、8月21日は「献血の日」だったことをご存じでしょうか。 
​この「献血の日」には、とても大切な歴史と意味があります。1964年(昭和39年)8月21日、日本政府が「輸血用血液を献血により確保する体制を確立する」ことを閣議決定したことに由来しています。 
​当時の日本では、自分の血液を売って金銭を得る「売血(ばいけつ)」が主流でした。しかし、金銭目的で頻繁に血を売ることで輸血用血液の質が低下したり、提供者自身の健康が害されたりすることが社会問題となっていたのです。そうした状況を法的に改め、善意による安全な「献血」によって患者さんの命を救う仕組みへシフトした大きな節目が、この8月21日でした。
​現在、事故や病気の治療で輸血を必要とする多くの命が救われているのは、全国の皆さんの温かい善意による献血のおかげです。
​私も昨日、金曜日だったため日本赤十字社の柏献血ルームにて、献血推進の広報活動を行ってまいりました。
​私は全盲です。日頃から駅で道に迷ったときや、買い物の際に商品を選ぶときなど、街中で出会う多くのあたたかい人たちにサポートしていただきながら生活しています。
​日々そうした恩恵を受けているからこそ、私にできる恩返しをしたい。その想いからスタートしたのが「白杖の恩返し」という活動です。
​一人の呼びかけが誰かの行動につながり、一人でも多くの患者さんに血液製剤が届いて命がつながっていく。私にとってこのボランティアは、社会への感謝をカタチにする大切な時間となっています。
​そんな活動の中で、先日とてもワクワクする話題を耳にしました。
​私と同じ全盲の方が、友人と一緒に「タンデムバイク」に乗り、野宿をしながら全国を旅する企画を立てているというのです。
​みなさんは「タンデム自転車(タンデムバイク)」をご存じでしょうか。
​タンデム自転車とは、サドルとペダルが前後に2つ以上並び、複数人で一列になって漕ぎ進む自転車のことです。
​通常、前の席(パイロット)に座る人がハンドル操作やブレーキを担当し、後ろの席(ストッカー)に座る人は前の人と一緒にペダルを漕いで推進力を生み出します。今回の全国旅企画でも、ハンドルを握る友人の方はきっと目が見える晴眼者の方でしょう。お互いに目が見えなかったら、スタート直後にぶつかってしまいますからね(笑)。
​このタンデム自転車には、素晴らしい魅力があります。
​障がいを持つ人が一人では自転車に乗ることが難しくても、健常者の方と一緒に乗ることで、全身で爽やかな風を切り、スピード感や季節の匂いを全身で感じる「走る喜び」を共有できるのです。前後のふたりが息を合わせてペダルを漕ぐ一体感は、まさに特別な体験と言えます。
この挑戦はYouTubeでも配信されるかもしれないとのことで、今から見るのが本当に楽しみです。
​実は私もすっかり感化されてしまい、「うちのパートナーにも一緒に乗ってもらおうか」と一瞬頭をよぎりました。
​そこで早速、彼女に「タンデム自転車に乗ってみない?」と尋ねてみたところ……答えは即断即決の「却下」でした(笑)。
​「あなたはいつも白杖を持っているだけで十分に目立つのだから、これ以上目立つ必要はありません!」とのこと。一刀両断でした。
​さらに、私の太ももはかなり強靭でパワーがあります。真剣にペダルを漕ぎ出したら、たとえ前の席で彼女がハンドルを握ってくれたとしても、あまりの推進力に制御しきれなくなる危険性もありますから、彼女の判断は正解だったかもしれません(笑)。
​冗談はさておき、全盲という大きな障がいを抱えてなお、全国を巡る冒険に挑もうとするその姿勢には深く敬意を表します。私自身には真似のできない大冒険ですが、どんな困難があっても夢に向かって挑戦する姿は、本当に素晴らしく、勇気を与えられます。
​私自身の生き方を振り返ると、単なる個人の趣味を楽しむこと以上に、人道支援や社会貢献活動を通して「自分が生きる価値」を創造していきたいと考えています。
​障がいを抱えていても、明確な目的を持ち、夢をカタチにしていくことができる。そんな一人ひとりが尊重し合い、力を合わせられる「共生社会」の実現に向けて、私はこれからも社会起業家としてメッセージを発信し続けていきます。
​みなさんもぜひ、身近な小さな一歩から、誰かを支えるアクションを起こしてみませんか。 
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