【福祉と雇用を結ぶ!20万人都市から始まる持続可能なワンストップ社会モデル】

      

【福祉と雇用を結ぶ!20万人都市から始まる持続可能なワンストップ社会モデル】

アイズルームのスタッフ、障害者と高齢者が市役所のトイレ掃除を笑顔で協力しながら行っている「共生社会」をイメージした画像です。
​地域社会の未来を切り拓く新たな挑戦として、今回は私が日々描いている妄想、そして夢についてお話しいたします。私は現在、福祉支援団体「EYESROOM」を運営しながら、居住支援や就労支援を通じて生活困窮者や貧困対策のボランティア活動に取り組んでおります。
​私自身、根っからの仕事人間で、これまでも現実の世界で様々な分野に挑戦し、誰よりも多くの成功と失敗を繰り返してきました。現在では全盲の重度障害(身体障害)を抱える身となり、仕事に汗を流した後に味わう缶ビール1杯の美味しさを懐かしく思い出しながらも、特別な会合でもなければ一切お酒を口にしない生活を送っています。
​それでも仕事への情熱が衰えることはなく、毎晩のように夜中に仕事の夢を見ています。それも単に成功した誇らしい夢ではなく、現実と同じように様々な課題に直面し、夢の中でも必死に悩んでいるようなリアルな夢です。
​日頃の活動の中で生活保護を受ける多くの方々と接する中で痛感するのは、重篤な障がいや病気、あるいは85歳を超えて体が思うように動かない方など、どうしても働けない方は当然生活保護を受けるべきである一方で、「簡単な仕事であればまだ働ける」「軽度な障害であれば汗を流して収入を得られる」という潜在的な力を持った方が確実に存在するということです。仕事を通して得る賃金の尊さ、そして自立した生活の喜びを一人でも多くの方に実感していただきたいという強い思いが、私の原動力となっています。
​全盲である私一人の力では、この大きな構想の全てを形にすることは到底できません。だからこそ、志を同じくする皆様や専門家、地域社会の力を借りながら、私が見ている夢を一つの事業構想として整理いたしました。
​ここでは、社会課題の解決と事業性を両立させるソーシャルビジネスの手法を用いて、生活保護に依存しない持続可能なワンストップ支援モデルを提案いたします。
​ソーシャルビジネスとは?
​ソーシャルビジネスとは、環境保護、高齢者・障がい者の支援、困窮者支援など、地域の様々な社会課題を「ボランティア(寄付や助成金)」だけに頼るのではなく、ビジネス(事業活動)の手法を用いて解決を目指す持続可能な取り組みのことです。自立した事業収益を上げることで、一律の行政補助金に依存せず、長期にわたり安定して社会貢献を継続できる点が大きな特徴です。
​社会の現状と抱えるリスク
​少子高齢化と人口減少が進む日本では、国家財政が非常に逼迫しています。財務省の発表によると、国債や借入金を合わせた「国の借金」は1,300兆円を超えており、国民一人当たり(赤ちゃんから高齢者まで)に換算すると約1,095万円もの負債を抱えている計算になります。
​高齢化の進展に伴い医療技術が向上する一方で、健康寿命とのギャップや無年金・低年金問題が深刻化しています。厚生年金に加入できず基礎年金のみ(月額平均約6万5千円〜7万円程度)で生活する高齢者が、十分な貯蓄を持たない場合、将来的に生活保護へ移行せざるを得ないリスクが高まります。また、発達障害や知的障害のある方、私のような視覚障害をはじめとする身体障害のある方が、適切な就労機会を得られずに生活保護を受給せざるを得ないケースも増加しています。
​基礎年金しかない高齢者、知的障害のある方、身体障害のある方など、あらゆる層が生活保護に頼らざるを得なくなってしまった場合、今後20年の間にセーフティネット全体が破綻しかねないという強い危機感を抱いています。
​ワンストップビジネスモデルの具体策
​この課題に対処するため、居住支援と就労支援を一体化させた持続可能なワンストップモデルを構築します。
​居住支援の確立
住まいとして「障害者グループホーム(共同生活援助)」および「住宅型有料老人ホーム」または「低額な介護付き有料老人ホーム(地域密着型特定施設入居者生活介護など)」を一体的に運営します。
​共同就労の場づくり
日中の活動拠点として「就労継続支援B型事業所」を設置します。清掃業務については利用者の安全確保を最優先とし、主に公共施設、駅、学校、24時間スポーツクラブなどの屋内施設、およびコンビニエンスストア、大手外食チェーン店、ショッピングモールといった民間店舗・商業施設を中心に請け負います。屋外の作業についても車道等の危険な場所は避け、十分に安全が確保された公園や歩道などに限定して行います。
​高齢者と障害者の相互補完(共生型モデル)
就労継続支援B型事業所の利用者(知的に障害はあるが体力のある若い方など)と、シルバー人材世代の元気な高齢者(70歳以上)がペアやチームを組み、協働で作業を行います。
​機械やロボットによる自動清掃が進む現代においても、配慮が必要な細かなトイレ清掃や、店舗・施設の利用者がいる現場でのきめ細やかな対人配慮を伴う作業は、人間の手による丁寧な仕事が欠かせません。この清掃取り組みの効果については、すでに実証済みです。効率よく70歳でもお元気な方と、知的に障害はあるものの身体が元気で真面目な人が助け合うことで、これら2つの階層の人たちがセーフティネットに依存することなく自らの力で独立できる仕組みを目指します。
​数値データで見るビジネスモデルの可能性と財政削減効果
​公的エビデンスに基づき、人口20万人あたり1拠点という基準で全国へ展開した際のスケールとインパクトを試算します。
​厚生労働省の「令和5年度工賃(賃金)の実績」によると、全国の就労継続支援B型事業所における平均工賃(月額)は「23,053円」です。本モデルでは、70歳以上の高齢者と障害者が共に働くことで仕事を分散・効率化し、民間店舗や公共施設の清掃案件を組織的に受注することで、工賃の約3倍引き上げを目指します。これにより、利用者の月額工賃を「約70,000円」まで高めます。
​障害年金や老齢基礎年金(約70,000円)に、このB型事業所やシルバー清掃員としての対価(約70,000円)が加わることで、個人収入は月額「約140,000円」となります。この水準に達することで、行政の生活保護に頼ることなく、セーフティネットに頼らない持続可能な生活を維持することが可能になります。
​全国展開の規模と拠点数:
総務省等の自治体・人口データによると、人口20万人以上の都市(中核市・施行時特例市・大規模市など)は日本全国に「約120箇所」存在します。また、40万人都市であれば2拠点、60万人都市であれば3拠点というように、人口20万人に1拠点の割合で日本全国の都市部へ配置していくと、全国で「約200箇所」のワンストップ拠点が設置可能となります。
​1拠点あたり、障害者と高齢者を合わせて「30名」配置すると仮定します。
厚生労働省の基準における単身者の生活保護支給額は、地域や条件により異なりますが、生活扶助と住宅扶助を合わせて「月額約130,000円(年額1,560,000円)」が目安とされています。
​計算式:
1拠点(30名)あたりの年間生活保護予算の削減額
30名 × 月額130,000円 × 12ヶ月 = 年間 46,800,000円(約4,680万円)
​全国200拠点での総削減額および就労支援規模
年間 4,680万円 × 200箇所 = 年間 9,360,000,000円(約93億6,000万円)
就労・居住支援を受ける対象者数:30名 × 200箇所 = 6,000名
​人口20万人単位での全国展開を図ることで、日本全国で年間「約93億6,000万円」の生活保護関連予算を削ることができる計算となります。同時に、全国で「6,000名」もの障害者および高齢者の方々が、セーフティネットに依存することなく、生きがいを持って働きながら安定した住居を確保できる仕組みとなります。
​持続可能な社会に向けて
​私が毎晩のように見ている夢は、決して一朝一夕で叶うものでも、今すぐ自力で実現できる事業構想でもありません。全盲である私ひとりの力でできることには限りがあり、まだ具体的な実行計画として動き出しているわけでもありません。
​しかし、毎夜の夢の中で悩み抜いてきたからこそ、この構想には現場の課題と真摯に向き合ったリアルな視点が詰まっていると信じています。
​将来、このビジョンに共感していただける仲間や事業者、地域社会の皆様と出会い、手を携えることができたなら、いつの日かこの壮大な夢を形にし、誰もが役割を持ち生きがいを感じられる持続可能な社会を共に作っていきたいと願っております。 
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