​私たちが普段、電車やバスなどの公共交通機関を利用する際、移動をスムーズにしてくれる心強い味方があります。それが「障害者用PASMO」です。
​私のように重度の視覚障害(視覚障害者手帳1級)があり、全盲で移動する際には「同行援護」というガイドヘルパーさんのサポートを受けます。そのときに大活躍するのが、この障害者用PASMOです。
​このカードは「本人用」と「介護者用」の2枚がペアで発行されます。私が「本人用」を持ち、ヘルパーさんに「介護者用」を渡して、自動改札機を連続してタッチすることで、手動での手続きなしで1名分の運賃(割引運賃)でスムーズに乗車できる大変便利な仕組みです。このペアカードは、同行援護のヘルパーさんに限らず、家族と一緒に出かける際にも同じように使うことができます。
​しかし、私は視覚障害者になってからも、そして障害者手帳を持って5年目を迎えるまで、この2枚のカードの存在や割引制度のことを全く知りませんでした。全盲になって同行援護サービスを利用するようになってから、ようやく初めて知ったのです。視覚障害当事者の中にも、この制度やカードの存在を知らない方が実はたくさんいるのではないかと感じています。だからこそ、多くの人にこの存在を知っていただきたいのです。
​非常に便利なこの障害者用PASMOですが、実際に日々使っている中で、当事者だからこそ気づく「大きな不具合と改善してほしい点」が2つあります。
​1つ目は、カードの見た目が一般的なPASMOとほとんど同じである点です
先日も、ガイドさんが改札を通る際、私から渡した「介護者用PASMO」ではなく、ご自身の私物のPASMOを間違えてタッチしてしまいました。その結果、自動改札機で足止めを食らってしまうというトラブルが起きましたヘルパーさんに渡すカードの表示が一般のカードと見分けがつかないため、こうした押し間違いが起こりやすいのです。例えば、本人のカードを青色に、ヘルパーさんのカードを赤色にするなど、一般的なカードとは明らかに色を変えてほしいと切に願います。
​2つ目は、目が見えない当事者にとって、触っても違いが分からない点です。
私のように目が見えない者にとっては、カードのデザインが変わっても視覚で判断できません。カードの端に切り込みを入れたり、表面に触ってすぐ分かる凹凸(ドット)をつけたりして、触っただけで「これが障害者用のカードだ」と判別できるような工夫をしてほしいのです。
​この障害者用PASMOは、私たちの社会参加を支える素晴らしいシステムです。だからこそ、見た目でも、触った感触でも、誰もが瞬時に一般のカードとの違いを理解できるユニークなデザインへと進化することを提案します。すべての人が迷わず、もっと安全に、もっと快適に公共交通機関を利用できる優しい社会になることを願って、これからも発信を続けていきます。