【視覚障害者の白杖の先端の種類について】

      

【視覚障害者の白杖の先端の種類について】

視覚障害者の女性が白杖を使用し歩行をしている画像です。

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今日は視覚障害者がシンボルとして使用している白杖の先端部分に関して、詳しく解説いたします。

視覚障害者が使用する白杖の先端部分は「石突(いしづき)」と呼ばれ、路面の状況を感知したり、障害物を探知したりする重要な役割を担っています。様々な種類があり、使用する人の歩行スタイルや用途に合わせて選ばれます。

主な石突の種類は以下の通りです。

  • スタンダードチップ(ペンシルチップ):

    • 鉛筆のような細長い形をしています。
    • 白杖に最初から付属していることが多い、基本的なタイプです。
    • 小さな段差や境界線の検知に優れていますが、路面との引っかかりが多いと感じる人もいます。
  • マシュマロチップ(ティアドロップ式):

    • 直径3cmほどの丸みのあるマシュマロ型、または涙型をしています。
    • 路面の凹凸への引っかかりが少なく、快適に歩きやすいのが特徴です。
    • 初めて白杖を使用する方にもおすすめされることが多いです。
  • ローラーチップ:

    • 先端に車輪のようなローラーが付いており、路面を転がしながら進めるタイプです。
    • 「スライドテクニック(路面に石突を滑らせて歩行する方法)」で歩行する方に向いています。
    • 路面を転がす際に「コロコロ」と音が鳴ることがあります。
  • パームチップ:

    • きのこの傘のような形をしています。
    • 素材がナイロン製で、ものに当たった際の衝撃が少なく、人気があります。
    • 白杖のシャフトと石突の接続部分が特殊なゴムになっており、小さな段差との衝突時に衝撃を逃がす仕組みになっています。路面からの情報収集に支障はありません。

これらの石突は、ナイロン製、ポリマー製、ゴム製、木製など様々な材質で作られており、摩耗が激しいため定期的に交換する必要があります。

また、白杖そのものの種類としては、以下のようなものがあります。

  • 直杖(ちょくじょう/rigid cane): 継ぎ目のない一本の杖で、丈夫で路面からの情報伝達性に優れています。
  • 折りたたみ式(folding cane): 複数(4段や5段など)に折りたたんでコンパクトに収納できるタイプで、携帯性に優れています。
  • スライド式: アンテナのように伸縮させて長さを調節できるタイプです。
  • シンボルケーン(IDケーン): 主に周囲の人に視覚障害者であることを知らせる目的で使われる、軽くて細い白杖です。
  • サポートケーン(身体支持杖): 身体を支えることを目的とした、頑丈な白杖です。

白杖の長さや石突の種類は、使用する人の身長、歩行スタイル、生活環境、そして好みによって選択されます。適切な白杖を選ぶためには、視覚障害歩行訓練士に相談することが推奨されます。

世帯分離による独立引越し作業現場写真、家族から独立してアパートへ引越す引越し作業画像。
アイズルームの代表も視覚障害者なので、同じ気持ちになって誠心誠意一人暮らしをサポートいたします。