昨日、北千住の飲食店で非常に強いショックを受ける出来事がありました。全盲の知人と会食をするためにお店に入り、席に座ってメニューの確認をしていたところ、店側から「目が見えないお客様には対応が困難なため、入店をお断りします」と退店を求められたのです。
盲導犬の同伴による入店拒否のニュースは耳にすることがありますが、全盲の方が席に着いた後に退店を迫られるという対応には、あまりに理不尽で深い屈辱感を覚えました。メニューの案内やサポートに多少の手間がかかるとしても、顧客の身体的特徴を理由に門前払いをする姿勢は、到底納得できるものではありません。今なおこのような差別的な対応が当たり前のように行われている現実に、悲しさと憤りを禁じ得ませんでした。
​障害者に対する差別や不当な扱いを解消するため、日本では2013年6月に「障害者差別解消法(正式名称:障害を理由とする差別解消の推進に関する法律)」が制定され、2016年4月から施行されています。この法律は、障害の有無によって分け隔てられることなく、互いに人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現することを目的として作られました。さらに事業者に対する「合理的配慮の提供」は、法改正を経て現在では努力義務から法的義務へと強化されています
​法律が存在するにもかかわらず、現場で今回のような不当な拒否が起きてしまう背景には、お店側の認識不足やサポート体制の不備があります。しかし、これは単なる接客の不手際という問題ではありません。一人の人間として当然受けるべき尊重を否定する「人間の尊厳」に関わる重大な課題です。
​不当な差別をなくし、真の共生社会を実現するためには、以下のような取り組みが必要だと考えます。
​まず事業者側には、障害に対する正しい知識と接客サポートの研修を徹底することが求められます。メニューの代読やちょっとした声かけなど、特別な設備がなくても実践できる工夫は数多く存在します。
​さらに国や行政の役割も重要です。単に法律を制定するだけでなく、実際の違反事例や悪質な入店拒否に対して、より実効性のある指導や罰則、改善勧告を行える仕組みを整えるべきです。同時に、飲食店などの事業者が障害者受け入れのためのサポートマニュアルを作成したり研修を実施したりする際、行政が積極的に支援する体制をさらに拡充する必要があります。
北千住という温かい街でこのような体験をしたことは大変残念ですが、声を上げなければ社会の意識は変わりません。すべての人が障害の有無にかかわらず、当たり前に街を歩き、安心して食事を楽しめる社会を作るため、国を含めた社会全体で法の実効性を高め、意識の変革を進めていくことが強く求められています。