【超高齢社会における日本の医療・介護政策転換と自立支援の行方:病院・施設依存からの脱却と地域包括ケアが描く自分らしい老後の生き方】

      

【超高齢社会における日本の医療・介護政策転換と自立支援の行方:病院・施設依存からの脱却と地域包括ケアが描く自分らしい老後の生き方】

自宅で介護士からサポートを受けている、車椅子難病患者のイメージ画像です。
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​本日は、福祉支援団体アイズルームが考える「老後の福祉・医療提供サービスの未来」について、国の最新施策や統計データを交えながら深く掘り下げていきます。
​我々が従来から訴えかけている通り、日本の医療や介護は長期にわたる入院や施設入所に過度に依存してきた側面があります。
​実際に国際比較データを参照すると、OECD(経済協力開発機構)の統計において、日本の人口1,000人あたりの病床数(病院のベッド数)は約12.6床から13.0床前後で推移しています。これはアメリカ(約2.9床)やイギリス(約2.4床)といった欧米諸国と比較して実に約4.5倍から5倍以上という非常に高い水準です。
​また、高齢者向けの入所施設や居住系施設の整備についても、日本では急速な高齢化に伴い大量の施設が建設されてきました。しかし、過度な入院や施設収容は、必ずしも本人の幸せに直結するわけではありません。
​本来であれば退院して住み慣れた自宅へ戻れる状態であるにもかかわらず、社会的な受け皿の不足や安全第一の過剰防衛から、ベッドの上で長期間過ごすことを余儀なくされているケースが少なくありません。
​人間は、安全ばかりを優先されて過度に動作を制限されたり、ベッド上に縛り付けられるような環境に置かれると、生活不活発病(廃用症候群)を引き起こします。自発的に身体を動かさなくなることで筋力は急激に低下し、認知機能の劣化も急速に進行してしまいます。
​このような現状に対し、国や厚生労働省も政策の大転換を本格化させています。
​厚生労働省が推進する「地域包括ケアシステム」の構築や、医療計画における病床機能報告制度・地域医療構想の推進により、急性期病床から回復期・慢性期病床への再編、そして病院の病床数自体の適正化(削減)が進められています。
​診療報酬および介護報酬の改定においても、この方向転換は明確な数字として表れています。
​例えば、在宅医療における「在宅患者訪問診療料」の改定では、同一の高齢者向け施設や集合住宅を巡回して多数の患者を短時間で診察する「同一建物居住者」に対する診療点数が低く設定される一方、戸建ての自宅などに赴き個別のケアを行う「同一建物居住者以外」への評価が高く維持されています。
​2024年度(令和6年度)および2026年度(令和8年度)の診療報酬・介護報酬改定では、同一建物内における大規模な集団訪問診療や訪問看護に対する減算規定・評価見直しが段階的に強化されました。
​単に効率よく医療点数を稼ぐようなビジネス型の訪問診療を抑制し、真に自宅での生活継続と重症化防止を必要とする利用者を巡回・ケアする医療機関や訪問看護ステーションを適正に評価する仕組みへと改訂されています。
​今後の日本の医療・介護分野は、病院への長期間入院や老人ホームへの囲い込みから、住み慣れた地域、すなわち「自宅」への帰宅と定着を促す流れがより一層強まります。
​これは膨張し続ける医療費・介護給付費の抑制という国家的な財政上の理由だけでなく、欧米型の「可能な限り住み慣れた環境で自立した生活を送る」というQOL(生活の質)尊重の思想に基づいています。
​高齢者を施設や病院に長期間抱え込むことで歩行能力を奪い、認知症を重症化させ、生きる喜びを失わせるような医療・介護構造から脱却しなければなりません。
​地域包括支援センターや多職種連携(医師、看護師、理学療法士、ケアマネジャー等)の支援を活用しながら、本当に医療的・介護的ケアが必要となる直前まで、自らの力で体を動かし、自分の意志で暮らしていく。自己責任と自己決定に基づく人生設計を最期まで全うすることが、本当の意味での老後の幸福へと繋がります。
​国が示すこの大きなビジョンを正しく理解し、私たち一人ひとりが「自分の老後をどう生きたいか」を主体的に選択する時代が既に来ています。
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