​包括支援センター、社会福祉協議会やNPO法人など、障害者や高齢者の支援を掲げる団体は数多く存在します。しかし、そこで働く人々が給料を受け取っている以上、それは私から見れば「仕事」に過ぎません。行政から資金を得て、決められた時間内に活動し、土日や夜間には対応しない。そうした公務員に近いスタンスで行われる支援は、工場の勤務やショップの店員と本質的に変わらないと感じるのです
​私は全盲になる前、長年にわたりソーシャルビジネスを展開してきました。自ら複数の会社を経営して利益を上げ、その私財を投じて支援活動を行ってきました。そこには対価など一切発生しません。なぜなら、本当の支援とは自らの身を削ってでも他者を救おうとする行為だと信じているからです。
​福祉の現場では、行政の枠組みや法律の壁によって、救いの手が届かない人々が確実に存在します。未成年のDV被害者、刑務所を出所して行き場を失った人々、さらには法的に支援対象外となる難民の方々。私は検察や弁護士とも連携し、行政がサポートしきれない「社会の闇」に光を当てる活動を続けてきました。
​時には、父親から暴力を受け骨折した少年を守り、時には重い障害ゆえに逮捕もされない犯罪者の更生に向き合ってきました。私が突き放せば、再び薬物に溺れ、あるいは命を奪う過ちを繰り返しかねない人々です。彼らを救うために、私は組織を構築し、365日24時間体制で命を懸けた支援を貫いてきました。
​問題は、決まった時間や限られた範囲の中では解決しません。むしろ、事態が深刻化するのは夜間や休日であることが多いのです。一歩踏み込んでその人の人生に入り込み、共に問題を解決しようとしなければ、救えない命がたくさんあります。
​「福祉」という仮面をかぶり、決められた枠の中で行動する。それが尊い活動であることは否定しません。しかし、私にとって報酬を得ながら行う活動はどこまで行っても仕事です。現場を厳しく断罪することもありますが、それは真に命を守るとはどういうことかを知ってほしいという、私なりの強い自負と願いがあるからなのです。