毎夏多くの人々で賑わう一大イベント、麻布十番納涼まつり。洗練された街並みに個性豊かな屋台が立ち並ぶ人気のお祭りですが、思わぬトラブルが発生し話題となっています。今回は、この祭りの魅力と今回起きた騒動の真相、そして麻布十番という街の歴史まで詳しく掘り下げていきます。
​東京のど真ん中、麻布十番納涼まつりとは?
麻布十番納涼まつりは、毎年8月下旬に開催される都内有数の大型夏祭りです。一般的な縁日の屋台とは一味違い、麻布十番商店街にある老舗有名店や高級レストランがこぞって特別屋台を出店するのが最大の魅力となっています。
​さらに、全国各地の特産品や名物が集まるおらが国さの物産市なども同時開催され、2日間で数十万人もの人が訪れます。国際色豊かな大使館が多いお国柄も反映され、異国情緒と江戸情緒が混ざり合った、まさに東京のど真ん中ならではのラグジュアリーかつ親しみやすいお祭りとして親しまれています。
​ラーメンで食中毒?今回のニュースを詳しく解説
そんな華やかなお祭りの裏で発生したのが、屋台で販売された冷やし蟹ラーメンによる集団体調不良のニュースです。
​8月22日と23日に開催された同お祭りの屋台で出された冷やし蟹ラーメンを食べた来場者のうち、76人以上が発熱や激しい下痢、腹痛などの症状を訴えました。
加熱調理された温かいラーメンであれば菌が死滅しやすいため食中毒のリスクは比較的低いとされていますが、今回は冷やしラーメンであった点、そして蟹という傷みやすい生鮮魚介類を扱っていた点が大きな要因とみられています。さらに港区のみなと保健所の調査により、前日に余った約700食分の食材を適切に管理・廃棄せず使い回していた可能性が浮上しました。店舗側はまだ原因が分からないとしていますが、保健所による立ち入り検査と調査が進められています。
​食中毒が発生した原因は?予想される5つの事例と対処法
​《①食材が腐っていたか?》
夏場の屋外という劣悪な環境下で、蟹などの傷みやすい食材の保管温度が不適切だった可能性があります。
対処方法:生鮮食品は常に10度以下で保冷管理し、少しでも異臭や変色がある場合はためらわずに廃棄します。
​《②前日余った食材の使い回しか?》
初日に販売しきれなかった大量の仕込み済み食材を翌日に持ち越し、その間に菌が増殖した可能性があります。
対処方法:屋外イベントでの提供品は当日調理・当日売り切りを徹底し、残ったものは全量廃棄します。
​《③調理スタッフの手指衛生不足か?》
屋台という限られた設備の中で十分な手洗いができず、黄色ブドウ球菌などが食材に付着した可能性があります。
対処方法:調理前や会計後の手洗い・アルコール消毒を徹底し、使い捨て手袋を頻繁に交換します。
​《④スープや器具の常温放置か?》
冷やしラーメン用のスープやタレを長時間常温で放置したことで、セレウス菌やウェルシュ菌などが繁殖した可能性があります。
対処方法:調理器具や容器はこまめに洗浄・消毒し、スープなどの液体も直前まで小分けにして冷やして保管します。
​《⑤ノロウイルスなどの感染症か?》
調理従事者が感染源となり、作業を通じてラーメンにウイルスが混入して広まった可能性があります。
対処方法:イベント前の検便検査や体調確認を厳格に行い、体調不良者は絶対に調理場に立たせないようにします。
​ブランド街・麻布十番の歴史と発展の経緯
高級住宅街やおしゃれなショッピングエリアとして知られる麻布ですが、もともとは江戸時代、麻布山善福寺の門前町として栄え始めたのが発祥です。川の改修工事の第10番目の工区だったことから麻布十番という名がついたとも言われています。
​明治から幕末にかけては各国の公使館や大使館が数多く置かれ、早い段階から国際色の強い街として発展しました。昭和の都電廃止後は鉄道の駅から少し離れた陸の孤島と呼ばれた時期もありましたが、それがかえって隠れ家的な高級感を醸し出し、独自のセンスある商店街文化を育むきっかけとなりました。
2000年に都営大江戸線と東京メトロ南北線が開通するとアクセスの良さが一気に向上し、六本木ヒルズや麻布台ヒルズといった近隣の再開発も相まって、格式高い伝統と最先端のトレンドが共存する現在の人気ブランド街としての地位を確立しました。
歴史あるおしゃれな街・麻布十番だからこそ、今回の食中毒騒動は多くの人に衝撃を与えました。食の安全管理が改めて問われる事態となりましたが、原因の早期究明と再発防止策が徹底され、再び誰もが安心して楽しめるお祭りに戻ることを願うばかりです。