【実体経済を置き去りにした株高の狂気、今こそ真の社会的セーフティネットの構築を】

      

【実体経済を置き去りにした株高の狂気、今こそ真の社会的セーフティネットの構築を】

2026年5月7日、実態経済にそぐわない世界株高にけん引された日本の株価最高値、暗黒のマネーゲームを示唆したイラストです。

東京株式市場で日経平均株価が取引時間中の最高値を更新し、6万6000円を超える水準へと上昇しました。2営業日連続の最高値更新という華々しいニュースが躍っていますが、これを目にする多くの国民の心境は、歓喜とは程遠いものではないでしょうか。
​現在の世界情勢を見渡せば、各地で続く紛争や緊張状態により、事実上のホルムズ海峡閉鎖という深刻な事態が生じています。その結果、プラスチック製品などの基礎原料となるナフサが決定的に不足し、医療現場の必需品から建築資材にいたるまで、あらゆる実体経済の現場が悲鳴を上げています。
​国内に目を向ければ、国による史上最大規模の為替介入によって一時的に円高へ振ったものの、わずか1ヶ月で元の水準へと逆戻りしてしまいました。そればかりか、物価上昇の波はさらに勢いを増し、日々の生活を圧迫し続けています。
​このような危機的状況にあって、なぜ株価だけがこれほどまでに跳ね上がるのでしょうか。これは経済の健全な成長を反映したものではなく、実態を伴わないマネーゲームそのものであると言わざるを得ません
​実際に、年収1億円を超えるような富裕層の多くは、社会に新たな価値を生み出す労働ではなく、株式投資などの労働を伴わない資産運用、すなわちマネーゲームによってその所得をさらに膨らませています。その一方で、欧米が直面したのと同様の深刻な貧困の波が、今の日本にも確実に広がっています。
​日本人の平均年収は500万円程度と発表されていますが、これは一部の極端な高所得者が数値を引き上げているに過ぎません。より実態に近い「中央値」を見れば、実質的な収入水準は300万円程度にとどまります。
単身世帯であれば年収300万円でもなんとか生活を維持できるかもしれませんが、家族を養う世帯にとっては極めて厳しい現実が突きつけられています。
​現在の日本の税制や社会保険制度の仕組みは、結果として高所得者に手厚く、最も人口の多い中央値層の人々に対して過酷な負担を強いる構造になっています。このまま赤字国債を発行し続けて急場をしのぐような手法を続けていては、国家の財政も社会の基盤も持ちこたえられません。
​国を健全なシステムへと蘇らせるためには、富の再分配を正しく機能させることが不可欠です。つまり、十分な余力を持つ高所得者層に対して、税制上の負担や社会保険料の負担を応分に増やしていただく仕組みへの転換しか道はありません。
​現在行われている一律の消費税減税の議論や、ガソリン価格を170円程度に維持する補助金政策は、支援を必要としていない高所得者層にまで一律の恩恵を与えてしまうという構造的な欠陥を抱えています。限られた財源を効果的に活かすためには、本当に困っている困窮層へとピンポイントで届く支援策に集中すべきです。
​EYESROOMは、目先の数字だけに踊らされる株価至上主義に強い警鐘を鳴らします。政府は、赤字国債という将来へのツケに依存することをやめ、持てる者が相応の負担をする健全な税制改正へと舵を切るべきです。それによって、汗を流して働く普通の人々が報われ、生活の安心を実感できる真に豊かな社会への再構築を強く提言いたします。 
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