【100才まで見える目を維持するために!医師が解説する4大眼疾患の予防と対策メソッド】

      

【100才まで見える目を維持するために!医師が解説する4大眼疾患の予防と対策メソッド】

白衣を着た女性医師が、30代女性患者の眼球の疾病に関する治療の為、眼球の状況を確認している画像です。

みなさん、こんにちは。福祉団体アイズルームです。日々の生活を豊かに、そして自分らしく過ごすためには、健康寿命を延ばすことが欠かせません。健康診断や人間ドックでは、血液検査、X線、心電図など、内臓の重病につながる項目にばかり目を向けがちです。しかし、私たちの日常生活と密接に関わり、QOL(生活の質)を最も直接的に左右するのは、実は「歯」「目」「耳」という、日常的に使い続けている部位なのです。

​医療経済ジャーナリストの室井一辰さんによると、人間は1日の大半をこれら3つの機能を使って過ごしており、胃腸や腎臓などの臓器よりも機能低下がQOLに直結しやすいと指摘されています。できないことが増えることで、精神的な豊かさや幸福感も失われやすくなってしまいます。そのため、歯、目、耳の機能維持や改善こそが、健康長寿の重要な柱となります。
​さらに、目の衰えは単に見えにくくなるだけでなく、別の重大な病気のリスクを跳ね上げることが世界各国の研究で明らかになっています。例えば、米ペンシルベニア大学の研究グループが2025年9月に発表した約4万7000人分の電子カルテデータの分析結果では、緑内障患者はアルツハイマー型認知症のリスクが60%も増加していたことが報告されました。
​また、二本松眼科病院副院長の平松類医師は、目の衰えが命に関わる危険性について警鐘を鳴らしています。人は外部から得る情報の約80%を視覚から得ているため、視界不良になると、転倒して骨折し、それが原因で寝たきりになるリスクが高まります。それだけでなく、車の運転中の事故や歩行中の事故に遭う危険性、見えにくさから外出が減ってフレイル(虚弱)に陥る可能性もあるのです。
​100才まで見える目を維持するためには、年齢とともに罹患しやすい目の病気について、その異変や兆候を正しく知り、予防と進行防止につながる習慣を実践することが重要です。今回は平松医師が提唱する、病状別の具体的なメソッドをご紹介します。
​1. 老眼の兆候と対策メソッド
​老眼は、加齢によって目のレンズにあたる水晶体が硬くなることや、毛様体筋が衰えてピント調節機能が低下することで起こります。「年だから」と放置されがちですが、より深刻な目の病気とも密接に関係しているため、見えにくいまま過ごすのは非常に危険です。
​役所で書類の細かい字が読みづらかったり、手元のカレンダーの日付を間違えたりしたら、それは老眼のサインです。
​老眼を防ぐための第一のポイントは、水晶体の厚みを調整する毛様体筋をゆるめることです。スマートフォンを長時間使用すると毛様体筋が凝り固まり、老眼が発症・進行しやすくなります。1時間以上スマホを見続けるのは避けましょう。
​目の疲れを感じたときは、温タオルで目を温めるのが効果的です。濡らして絞ったタオルを電子レンジで40秒ほど加熱し、瞼の上に1分から3分ほど当てると、血流が良くなって疲れが取れると同時に毛様体筋をほぐすことができます。
​さらに、平松医師が推奨するのが「毛様体筋ストレッチ」です。
顔から約30cm離して持ったペンなどにピントを合わせて約10秒見ます。次に、2m以上(可能なら6m以上)先の目標物にピントを合わせて約10秒見ます。これを10回繰り返すのを1セットとし、鍛えるのではなく「ゆるめる」イメージで毎日行いましょう。
​もし老眼の兆候を感じたら、速やかに眼鏡店で自分の度数に合った老眼鏡を作ることが大切です。老眼鏡を使わずに無理に手元を見続けていると、毛様体筋の緊張や収縮が続き、目にさらなるマイナスを及ぼします。
​2. 白内障の兆候と対策メソッド
​白内障は、加齢によって水晶体が白く濁る病気で、60代の74.5%が発症するとされています。誰でもなりうる病気ですが、日本人の失明原因の第7位となっています。
​初期には自覚症状がほとんどありませんが、手元や遠くが見えにくくなったり、色合いが分かりにくくなったりします。はがきや封筒の宛名の字の大きさが揃わなかったり、郵便番号の枠から数字がはみ出したりする人は注意が必要です。郵便番号の枠は白地に赤で、白地に黒に比べて色の差が少ないため、白内障になると枠内におさめるのが難しくなります。また、視力低下の前に色の判別がおかしくなるケースもあり、飲食店などで自分のコートと色の違う他人のコートを間違えてしまうことも起こり得ます。
​白内障の大きな原因は、水晶体へのダメージの蓄積です。絶対に避けたいのは、目が痒いときに「目を擦る」行為です。目を擦ることは、目を殴るのと同じくらいのダメージを網膜や水晶体に与え、発症や進行を早めます。瞼の上から目をマッサージするのも非常に危険な行為なのでやめてください。
​また、紫外線によって大量に発生する活性酸素も水晶体に悪影響を及ぼします。白昼の外出時には、夏でなくても日差しの強い日はUVカットのサングラスを着用することを意識しましょう。
​食事面では、脂質の多いジャンクフードなどを控えることが大切です。脂質過多の食事は、白内障の原因となる酸化ストレスを引き起こすとされています。さらに、肥満によって血流が悪くなると、目の神経細胞に酸素や栄養が十分に届かなくなって緑内障のリスクを高めることにもつながります。
​3. 緑内障の兆候と対策メソッド
​緑内障は日本人の失明原因の第1位であり、眼圧が高くなることで視神経が圧迫され、視野が狭くなったり部分的に見えなくなったりする病気です。40才以上で5%、70才以上では10%以上が罹患しているとされますが、一度欠けた視野は元に戻らないため、予防と早期発見が極めて重要です。
​両眼で見ていると視野の欠けに気づきにくく、運転中に歩行者を見落としそうになったり、人ごみでよく人にぶつかったり、新聞の同じ行を何度も読んだり行を飛ばしたりするようになって初めて気づくケースが少なくありません。
​緑内障予防において、睡眠は重要な要素です。米国の調査では、睡眠時間が3時間以下だと緑内障リスクが約3倍、10時間以上だと3.4倍になるという結果が出ています。韓国の研究でも、睡眠時間が6時間から8時間の人に比べて、5時間未満や9時間以上の人は緑内障になりやすいことが分かっています。寝すぎが良くない理由は、睡眠中に体内の水分が頭部に寄りやすく、眼圧が上がりやすくなるためです。また、就寝前の暗い部屋でのスマホ使用は、交感神経を刺激して睡眠の質を低下させ、目の神経細胞の回復を妨げるため避けてください。
​寝るときの姿勢にも注意が必要です。うつ伏せ寝をすると水晶体が下がり、眼球内の水の流れが悪くなって眼圧が上がります。日中に机に腕枕で突っ伏して寝る行為も、眼圧上昇だけでなく腕で眼球を圧迫して視神経にダメージを与えるため非常に危険です。
​生活習慣の中で予防に役立つのが、コーヒーを飲むことです。京都大学の研究グループによるデータ分析では、1日3回以上コーヒーを飲む人は、1回未満の人に比べて眼圧が低かったと報告されています。ただし、1日4杯以上の大量摂取や、緑内障の遺伝的要素がある人の場合は逆に眼圧を上げるという報告もあるため、糖分を控えたブラックコーヒーを「1日3杯まで」を目安にするのが良いでしょう。
​また、定期的な運動習慣も大切です。週3回以上、ウォーキングなどの有酸素運動を1回30分以上行うことで、眼圧を下げる効果が期待できます。激しい運動は逆効果になることもあるため、適度な運動を心がけましょう。
​脳の機能を高めて視力を改善するメソッドとして、平松医師は「ガボール・アイ」を推奨しています。これはノーベル物理学賞受賞者のデニス・ガボール博士が考案した特殊な縞模様(ガボール・パッチ)を用いた方法です。やり方は簡単で、並んだ縞模様の中から好きな模様を1つ選び、それと同じ縞模様を画像の中から全て探し出します。終わったら別の模様を選んで繰り返します。1日3分から10分ほど集中して行うことで、目から入った情報を処理する脳のトレーニングになります。
​4. 加齢黄斑変性の兆候と対策メソッド
​加齢黄斑変性は、網膜の中心にある黄斑に老廃物が蓄積することで物が見えにくくなる病気で、「目の生活習慣病」とも呼ばれています。高血圧、脂質異常症、糖尿病などの持病がある人ほどリスクが高く、女性よりも男性の方が発症しやすい傾向があります。
​景色の真ん中だけが霞んで見えたり、新聞の株価欄などの中心の線が歪んで見えたりしたら、この病気の疑いがあります。
​予防のためには、パソコンなどによる光刺激を長く受け続けないこと、急激なストレスを避けること、そして食事管理によって血圧、コレステロール値、血糖値をきちんとコントロールすることが重要です。
​特にビタミンA、C、Eを多く含む緑黄色野菜は抗酸化作用が高く、予防に効果的です。毎食摂るのが難しい場合は、マルチビタミンのサプリメントを活用するのも良い方法です。ビタミンAには緑内障のリスクを下げる効果もあります。また、ほうれん草やブロッコリーに豊富に含まれる「ルテイン」には強い抗酸化作用があり、紫外線から目を守る天然のサングラスのような役割を果たします。ルテインは加齢黄斑変性だけでなく、白内障や緑内障の予防にも有効です。
​早期発見のためのOCT検査のすすめ
​どんなに日常のケアを徹底していても、病気の初期段階を自覚するのは困難です。そこで平松医師が強調するのが、医療機関での検査の重要性です。
近赤外線を使って網膜やその奥にある視神経を三次元的に捉えることができる「OCT(光干渉断層計)検査」を行えば、緑内障や加齢黄斑変性をごく初期の段階で発見することが可能です。目の健康を維持するために、40才を過ぎたら2年に1度、70才以上の人は毎年、OCT検査に対応している眼科医院を選んで受診することをおすすめします。
​大切な目を守り、100才まで豊かな視界を保つために、ぜひ今日からこれらの生活習慣やストレッチを実践してみてください。アイズルームでは、これからも皆様の健康で安心な暮らしをサポートする情報を発信してまいります。 
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