【猛暑の柏と松戸献血ルーム最終日、そして私の原点にある命の恩返しの物語】

      

【猛暑の柏と松戸献血ルーム最終日、そして私の原点にある命の恩返しの物語】

感染症「O157」に感染した男児を、隔離病棟で防護服を着た医療従事者が、治療及び血液の入れ替え(緊急輸血)を行っているイメージ画像です。

7月31日は柏献血ルームおよび松戸献血ルームの7月最終日であり、多くの皆様にご協力をいただいた締めくくりの日となりました。木曜日は松戸での活動、金曜日は柏での活動と決めており、当日は猛烈な熱波が押し寄せる非常に厳しい暑さとなりました。7月の活動に向けて、街頭での呼びかけだけでなく、このブログやSNS、さらに普段から活動している支援団体にも協力を仰ぎ、盛り上げを図ってまいりました。ものすごい暑さの中であったにもかかわらず、30日の松戸献血ルームにはたくさんの方が足を運んでくださいました。そして7月最終日の昨日、呼びかけを終える頃には柏献血ルームの待合室が満員になるほどの盛況となりました。私たち声かけグループが休憩する場所もなくなり、最後の着替えを打ち合わせルームで行わなければならないほどでした。もちろん、私の力だけでこれほど多くの方々が集まったわけではありませんが私どもの呼びかけも少なからはず影響を与えられたのではないかと感じております。本当に暑い中、献血のためにわざわざ柏や松戸に足を運んでくださった皆様、心より感謝申し上げます。
​[①ニューヨーク同時多発テロと当時取り組んでいたネットスーパー事業]
私には、献血活動に対して決して忘れることのできない強烈な原点エピソードがあります。それは、ニューヨークに飛行機が突っ込んだあの9.11同時多発テロの時期とまさに合致しています。当時、私は上場企業の関連会社である社内スタートアップ企業の専務取締役を務めておりました。まだインターネットが今ほど普及していなかった時代に、スーパーの商品をネットで注文して2時間以内にお届けするという画期的なネットスーパー事業を手がけていました。西友が先駆けであり、私たちがその2番手を走っていた時期です。日々必死に会社経営と事業拡大に向き合っていた、そんな過酷な日々の最中に事件は起きました。
​[②家族を襲ったO-157の恐怖と息子が重症化した経緯]
私の家で、おそらく口にした食品が原因と思われるO-157集団食中毒に家族が感染してしまいました。保健所が入り、どの食べ物が原因だったのか徹底的な調査が始まりました。私たちが一番思い当たったのは、かにを食べていたかに専門店であり、保健所による調査が入りました。そんな中、一番体力がなかった私の息子(小学6年)が重症になってしまい、隔離された集中治療室(慈恵医大柏病院)へと搬送される事態となりました。防護エリアで覆われた部屋の中で、息子はまさに意識を失おうとしていました。その緊迫した部屋には、親である私すら入ることができず、視界で様子を伺うことすらできませんでした。医師から告げられたのは、血液の半分近くを入れ替えないと命を救うことができないという残酷な現実でした。これによって感染症を引き起こしたり、最悪の場合には命を落とすことがあると宣告されましたが、この血液を入れ替える方法しか息子の命を救う道はないと言い切られたのです。
​[③O-157とは何か:発生原因と医学的な発症メカニズム]
ここで、息子の命を脅かしたO-157について、国の公的機関(厚生労働省や国立感染症研究所)の資料に基づく医学的知見を提示いたします。O-157は「腸管出血性大腸菌」と呼ばれる細菌の一種であり、体内で強力な毒性を持つ「ベロ毒素(シガトキシン)」を産生するのが特徴です。主な感染源は、牛などの家畜の腸管内に存在する菌が食品や水に付着することです。特に加熱不足の肉類や、汚染された生野菜・水を口にすることで経口感染します。わずか10〜100個程度というごく微量の菌量でも感染・発症するほど非常に強い感染力を有しています。体内に入った菌は胃酸を通過して大腸に達し、増殖しながらベロ毒素を放出します。この毒素が大腸の粘膜細胞や毛細血管の細胞を直接破壊するため、激しい腹痛や下血(血便)を引き起こします。
​[④重症化リスクと溶血性尿毒症症候群(HUS)への移行]
O-157が命に関わる危険な病気とされる最大の理由は、ベロ毒素が腸管から血管内へと侵入し、全身の血流に乗って腎臓や脳などの重要臓器の毛細血管内皮細胞を攻撃するためです。これが重症化した状態を「溶血性尿毒症症候群(HUS)」と呼びます。毒素によって血管内皮が損傷すると、そこで血栓が頻発して血小板が急激に消費され(血小板減少)、その血栓の網目を微細な赤血球が通過する際に破壊されます(溶血性貧血)。さらに、腎臓の濾過機能が破壊されることで急性腎不全に陥り、尿がまったく出なくなります。このようにして体内には毒素と機能不全に陥った血液成分が充満します。息子が直面したように、血漿交換療法や大量の輸血によって汚染された血液成分を新鮮な血液に入れ替えなければ、多臓器不全により確実に死に至る危機的状況となるのです。
​[⑤日本における感染者数と重症化・死亡率の統計データ]
国立感染症研究所の「感染症発生動向調査」等の公的統計によると、日本国内における腸管出血性大腸菌(O-157含む)の感染報告数は、例年年間で約3,000件から4,000件に上ります。有症状者のうち、約3〜5%という確率で重篤な合併症であるHUSを発症すると報告されています。特に抵抗力の弱い乳幼児や高齢者の場合、このHUS発症率がさらに高まります。そしてHUSを発症した患者における致死率は約1〜5%に達し、感染症全体で見ても毎年数名から十数名程度の尊い命が失われています。数字が示す以上に、一度重症化すれば死と隣り合わせになる、極めて恐ろしい感染症です。
​[⑥奇跡的な回復と息子がいただいた血液への恩返し]
医師から絶望的な宣告をされた息子でしたが、大量の血漿交換と輸血治療により奇跡的に意識を取り戻し、懸命の治療の末に一命を取り留めることができました。月日は流れ、現在では大人になり、福祉支援企業に勤務して誇りを持って社会のために働いています。あの時、息子の命をつないでくれたのは、見ず知らずの多くの方々から提供された尊い輸血用血液でした。私の献血ボランティア活動にかける強い思いの原点には、息子がいただいた大量の血液に対する一生涯の恩返しという揺るぎない気持ちがあります。O-157は、重症化すれば体の弱い人は本当に命を落としてしまう恐ろしい病気です。だからこそ、医療の現場を支える血液の本当の重みを私は身をもって知っているのです。
​[⑦EYESROOMの献血ボランティアにかける熱い想い]
私どもEYESROOMは、中小企業や福祉支援の現場が抱える問題解決に挑むとともに、社会を根本から支えるボランティア活動に全身全霊で取り組んでおります。世の中には、私たちが想像もつかないような突然の病気や事故の危機の中で、誰かの善意による血液によって命を救われ、再び未来へと歩み出している人たちが無数に存在します。今回の柏および松戸献血ルームでのキャンペーン最終日に見られたような、記録的な猛暑の中でも自発的に足を運んでくださる方々の温かい善意の輪こそが、日本社会の誇るべき底力です。人口減少や物価高騰といった厳しい局面を迎えている現代日本において、世界に誇れる企業や持続可能な地域社会を創り上げていくためにはまず一人ひとりの命と健康を守り抜く強い連帯と相互扶助の精神が不可欠です。私たちはこれからも献血活動の呼びかけを通じて、命の尊さと助け合いの重要性を力強く訴え続けてまいります。誰もが安心して暮らせる明るい未来を築くため、どこまでも情熱をもってこの活動を推進していく決意です。 
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