【障害年金と生活の実態を知る:公的データから見る収入・仕事・暮らしの現実】

      

【障害年金と生活の実態を知る:公的データから見る収入・仕事・暮らしの現実】

生活困窮者が生活保護申請の相談をしている画像

​おはようございます。福祉支援アイズルームのブログへようこそ。障害当事者が発信する、障害者に関係した人たちに送るブログです。
​私は障害を持ちながらも、2年前まではバリバリと働いていました。そんなこともあり、当時は障害年金の請求をしていませんでした。しかし2年前、様々な悪条件が重なり、自ら招いたこともありますが、体調も含めて生活設計がかなり疲弊してしまいました。そうした厳しい状況の中で、障害年金の申請を行いました。本来の老齢年金をいただくようなちょっと前に、高齢年金より先に障害年金をスタートした形です。
​一般的な障害者の方は、私のようにシニアになってから障害者になったのではなく、もっと早い段階から障害年金を受け取っている方が多いと思います私は地方自治体のセミナー講師を務めているため数字を把握していますが、お金の話である以上、思い込みではなく国の正確なデータを知ることが何より大切です。
​まず、一般の高齢者が受け取る老齢年金(国民年金・厚生年金)の平均受給額について、厚生労働省の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を基に、正確なエビデンスを見ていきましょう。
​会社員などが加入する厚生年金の全体平均所得額(平均年金月額)は146,429円です。それに反して、自営業の方、専業主婦の方、短期アルバイトしかしなかった方などが受け取る国民年金(老齢基礎年金)の全体平均は、わずか57,584円となっています。
​さらに、男性と女性では次のように大きな違いがあります。
​高齢者の平均年金月額の男女比較(令和5年度末時点)
・国民年金(老齢基礎年金)
男性平均:59,965円
女性平均:55,777円
​・厚生年金(老齢厚生年金・基礎年金含む)
男性平均:166,606円
女性平均:107,200円
​国民年金では男女差が約4,000円ですが、厚生年金になると、過去の現役時代の就労形態や賃金格差が反映されるため、男性と女性で約6万円もの大きな開きが出ているのが現実です。
​今日の本題としてお伝えするのは、障害年金を受け取っている方たちのデータです。
​同じ障害年金であっても、現役時代に会社員などとして厚生年金に入っていた人と、自営業や専業主婦などで国民年金しか入っていなかった人とでは、受け取れる額に大きな違いがあります。こちらも厚生労働省の「障害年金制度の見直しに関する資料」等から、正確な平均データ(月額換算)を紹介します。
​障害年金の平均受給月額(等級別の全体平均)
・国民年金(障害基礎年金)
1級平均:82,087円
2級平均:66,532円
​・厚生年金(障害厚生年金・1級と2級は基礎年金を含む)
1級平均:152,831円
2級平均:115,558円
3級平均:55,861円
​障害年金の場合、国民年金(障害基礎年金)は定額ベースのため、男女による受給額の差はほとんどありません。しかし、障害厚生年金の場合は現役時代の標準報酬(給与額)に基づいて計算されるため、一般の老齢年金と同様に、平均年収に差がある男性のほうが女性よりも受給額が高くなる傾向があります。
​ここで、多くの方が疑問に思う「障害年金は何歳からもらえるのか」という点について解説します。
​高齢者がもらう老齢年金は原則65歳(繰り上げ支給でも60歳)からとなっていますが、障害年金に「60歳まで待たなければいけない」という年齢制限はありません。厚生労働省の規定によると、障害年金は原則として「20歳から65歳未満」の間に、障害の原因となった病気やケガの初診日があることが条件となります。
​つまり、20歳以降であれば、現役世代であっても、60歳や65歳といったシニア層になるのを待つことなく、障害等級に該当した時点から受給することができます。ただし、20歳前に障害を負った場合は、20歳に達した時点(二十歳前障害)から請求が可能になります。
​では、障害者の方は実際にどのような住まいや世帯構造で暮らしているのでしょうか。家族と同居しているのか、ご夫婦なのか、あるいは単身世帯が多いのか、国の監視機関である内閣府の「障害者白書」や厚生労働省の生活実態調査を基にデータをまとめました。
​障害者の居住・世帯状況の実態
全体的な傾向として、障害を抱える方の多くは「家族との同居」が最も多い割合を占めています。身体障害や知的障害のある方の約6割から7割は、親や配偶者、子どもなどの家族と同居して生活を営んでいます。
​しかし、この状況は「年齢(ライフステージ)」によって大きく変化します。
20代から40代の若い世代では、親と同居している割合が非常に高いです。しかし、50代から60代のシニア層に差し掛かると、親の高齢化や逝去に伴い、ご夫婦での二人暮らし、あるいは「単身世帯(一人暮らし)」の割合が急激に増加します。特に精神障害のある方や、シニア期の単身世帯においては、経済的な孤立やケアの不足が大きな課題となっています。
​最後に、経済的な生活状況を把握するため、仕事をしている障害者の人数と、生活保護との関係について触れておきます。
​現在、日本国内で何らかの仕事に就いている障害者の総数は、厚生労働省の労働実態調査等によると約100万人を超えています。民間企業に雇用されている障害者数だけでも約64万人(令和5年発表データ)と過去最高を更新していますが、その多くはパートタイムや軽作業などの短時間就労であり、障害を抱えながら十分な就労収入を得ることは容易ではありません
​収入面の厳しさを裏付けるエビデンスとして、障害者と生活保護の関係が挙げられます。厚生労働省の「被保護者調査」によると、現在、日本の生活保護受給世帯のうち、世帯主や世帯員に障害・傷病がある「障害者・傷病者世帯」が占める割合は、全体の約25パーセントに達しています。生活保護を利用している世帯の4世帯に1世帯が、障害や病気を抱えているという現実があります。
​障害を抱えて生きるということは、収入面、仕事、そして日々の暮らしにおいて、常に背中合わせの不安と戦うことでもあります。だからこそ、自分が受け取れる権利のある障害年金などの制度を正確に理解し、生活設計を少しでも安定させることが大切です。
​このブログを通じて、正確な数字と現実を知り、これからの生活のヒントにしていただければ幸いです。 
カテゴリー